ネット右翼現象の背後にあるもの②~自己中‘厨房’の問題性

しかし「差別的言論」というのは「剥き出しの自我」でしかなく、普通の現実世界においては通用するものではない。

従って、差別的言論を常習する人物というのは非常に限られていて、反社会的勢力(チンピラ)か脱社会的勢力(ニート)かということになる。そして世の趨勢はニートの増大であるが、かつての貧困層と違い、ニートにはネットで憂さを晴らすヒマと(親に買い与えられた)ネット環境だけはある。ここに「ビジネスとしての差別的言論」が成立する今日的基盤がある。(尚、左翼の側の問題もおさえておくならば、左翼が「人権・平和は絶対」といった紋切り型に終始し、実態として人権の名の下での逆差別が横行し、平和の名の下での戦争がまかり通る、という現状に対して有意義なる言論を提示しえていないという点が大きいのではないだろうか)

しかし、よくよく調べてみると、「差別的言論」にとびつくのは20代ニートだけではない。

以下に引用したブログは「ネット右翼」というコトバを広めた、人権擁護法案賛成派で朝日新聞とも近い、小倉秀夫弁護士に対する批判であるが、的を得ていると思われる。

>ネット上に無礼で頭の悪い人たちが存在し迷惑をかけているのならば、彼らは単に「厨房」(2ちゃんねる用語で失礼します)あるいはそれに類似した言葉で呼ばれるべきであり、右翼とか左翼といった思想性で括ろうとするのは間違っていると考えます。弁護士ならお上品に「愛国心と正義感に知性と品性が伴わない人たち」でしょうか。・・「ネット右翼」という言葉は「右翼」であること(思想傾向)を批判すべき実体としてとらえているのに対して、「ウヨク厨房」はあくまで「厨房」(人格的・知的レベルの低さ)を批判の対象とする、という大きな違いがあります。「批判されるべきは「右翼」ではなく「厨房」ではないか」

ここで厨房という2ちゃんねる用語の解説をしておくと

>ネット用語としての語源は、中学生の意である「中坊」。「ちゅうぼう」と打っても中坊とは変換されないが、厨房になら変換されるのでこれになったのか。・・現在、「厨房」といえば2ちゃんねらーと言えるほど、2ちゃんねるは厨房の巣窟となっている。

「思想としての左右が問題なのではなく、安易に‘差別的言論’と‘お祭り騒ぎ’に飛びつく人格の未成熟さこそが問題ではないか」ということなのだが、この間のるいネットでの若者の仲間空間の過保護化を踏まえていうならば、リアル厨房(中学生)こそがまさに「ネット右翼現象」の張本人なのではないかと思えてなりません。

何故なら現在の中高生の実世界は無圧力化しており自己中は野放し状態です。勿論、全ての中高生が自己中化している訳ではありませんが、「キショイ」とか「イッカイシンダラ」などという発言が対面関係でも流通している状況は、ネットにおける差別的言論の暴走と直結しています。

このように見ていくとネット右翼現象の本質は「差別的言論」がもたらす自我的快楽性にあり、その主導者が私権派のネット産業(大人)と自己中派の厨房(子供、そしてニート)だということになります。

現実世界においても自己中を見てみぬふりをする過保護的対応はもはや百害あって一利なしな状況ですが、ネット界においても同じように、自己中派が跳梁跋扈することをこのまま放置する訳にはいかないのではないでしょうか。(この問題にだんまりを決め込むことは責任ある大人であれば思想の左右に関わりなくもはや許されない状態だと思います)


山澤貴志