密室家庭の問題

>また、お互いの性的独占契約を基にして成立している現在の密室家庭が教育を担うというのは、学校がそれを担うということ以上に、そもそもの無理難題なのではないかと思います。


度重なる教育改革にもかかわらず混迷を深める教育現場ですが、個々の学校を見れば意欲的な、そして可能性を感じる取り組みも少数ながら生まれつつあります。

新しい学習カリキュラムの研究に取り組むある学校では、環境や地域の問題をテーマにかなりの時間を割いて総合学習に取り組んだ結果、生徒たちがともかく元気になり、総合学習だけでなく生徒会や課外活動等にも意欲的に取り組むように変わってきたそうです。

成功の要因として、「フィールドワークを中心に現実社会の問題についての徹底的な事実追求によって、学習を通して社会に対する関わり方を知ること」「学校全体から総合学習の小グループまでの重層的な仲間関係の中で、それぞれの集団において自分に期待される役割をさとって取り組む」といったところにあると考えられます。

ただ、この様な学習方法は、これまでの最大の関心事である受験対策とは、なんら関係ないかの様に見受けられます。(むろん一面的な見方だと思います。本当は強い相関関係を持ち得ると私は考えていますが。)

そこで、親たちの反応です。

父親たちの多くは「こういう学習を望んでいたのです。」との好意的な意見が多いと言います。
日々、社会に身を置いている父親たちは、この教育の持つ可能性が、直感としても理解できるようです。

反対に、母親たちの多くは「こんな事ばかりしていて大丈夫なのでしょうか?」と反応するのだそうです。この反応の背後にあるのは、「我が子は受験勉強に対応できるのか?」との、母親自身の不安です。
活力にあふれ、楽しそうに学ぶ子供の様子を見ても、ほとんど力を失いつつある古い制度が気になり、いまだに「どちらが子供にとって必要なのか?」といった判断さえ下せないのです。

密室家庭にこもって社会に接する事の無い母親たちに、今の教育に何が必要かを問うこと自体無理なのでしょう。
しかし、実際に子供達の教育に大きな影響力をもつのは父親ではなく母親であるということが、現在の教育問題の根本的な問題のひとつだと思います。

小西康雄