大学改革の新しい風~慶応藤沢Cの例①

この間の国立大学の独立法人化等、大学の制度が大きく変化しています。特に1991 年2 月に出された答申『大学教育の改善について』は、全国の大学に改革をせまる、きわめてインパクトの大きなものでした。
実際、この答申を受けて大学設置基準が1991 年6 月に改正され、一般教育と専門教育の区分、一般教育内の科目区分(一般(人文・社会・自然)、外国語、保健体育)が廃止されました(この制度変革を「大綱化」という)。これにより、各大学は4 年間の学部教育を自由に編成できるようになったが、その一方で、教育研究活動について、大学自ら点検および評価を行うことが求められるようになった。

教育制度(何を教えるかまで)は戦後長らく国の統制下にありましたが、‘70以降の序列崩壊過程で、旧制度・規範では教育の現場の混乱、硬直化、直接的には小学生から大学生までの一貫した学力低下を前にして、旧制度・規範による文科省の力ではもはや制御・回復不能となり、ついに’91年の“大綱化”により、規制緩和(責任放棄)したのが実態でしょう。
その流れで、大学でも講義と教授者に対する学生の評価が実質義務付けられ、スタートしたわけですが、大半の大学ではこの「学生による授業評価」が既に形骸化しつつあります。
ほとんどの大学では学年末に学生からアンケートを取るという方法を取っている。
しかしこの制度には、学生にまともな授業評価ができるのか、人事評価に流用されるのでは等、教員側に根強い不信感があった。又、教育・学問の自由に対する侵害ではないかとの意見もある。
確かに、学生が回答するだけで終わってしまう一方通行のアンケートには、いろいろな問題がある。
特にこれまでの、学生による授業評価制度は、学生により回答された評価情報ではあったが、学生が利用するための評価情報ではなく、学生が主体となって構築した評価でもなかった。設問の設定は教員が行ったし、その結果は学生に公開されることもほとんど無かった。そのため調査結果を利用するのは、学生というより教員であった。教員が自分の授業を改善するための仕組みであった。従ってこの制度を効果あるものにするかどうかはもっぱら教授の自主性(勝手)に委ねられることになっていた。
そういった現状に対し慶応義塾大学藤沢湘南キャンパスでは‘02年4月より新しい授業評価制度を導入した。
概要を以下に紹介しますが、これまでの評価が一方通行の非公表であったのに比べると、学生と職員を含む全学にネット上で完全公表される画期的なものです。
以下(次投稿)「大学時報」‘05/5月号に拠る

庄恵三