活発に運動をするほど学業成績も優秀?~フィンランドの教育現場が注目する運動の重要性

 フィンランドの教育現場では、学力向上に複数人での身体運動の習慣化が良い影響を与えていると考え、子供達の運動機会を増やす取り組みが始まっているそうです。
 運動をすると、セロトニンノルアドレナリンドーパミンなど、思考や感情にかかわる重要な神経伝達物質が、増えることはよく知られています。その他、ニューロンの成長や機能調整などさまざまな役割を担っている神経伝達物質や成長因子が次々と放出され、脳の基礎構造を物理的に強くする事が最近の研究で明らかになってきています。
 生き延びるには、知恵を働かせ食料を見つけ蓄えなければ生き延びることができなかった極限時代。その逆境を乗り越えてきた人類の脳回路には、食物と身体の活動と学習が結びつき組み込まれているのだと思われます。
 
 運動と学習を組み合わせたフィンランドの取り組みには、大いに期待ができそうです。
以下、「活発に運動をするほど学業成績も優秀? フィンランドの教育現場が注目する運動の重要性」リンクより転載します。
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学力が世界トップレベルと言われるフィンランドで、子供達の運動機会を増やす取り組みが始まっています。フィンランドの教育現場では、学力向上に複数人での身体運動の習慣化が良い影響を与えていると考えているようです。
フィンランド教育文化相Sanni Grahn-Laasonen氏らは、2016年9月に、8歳以下の子供たちは、毎日、少なくとも3時間は身体運動をするべきで、そうでなくともできるだけ活発に動くべきだという勧告を出したそうです。
 
これはフィンランドの子供たちが運動不足で肥満が進み、生活習慣病予備軍だからではありません。むしろその逆で、フィンランドの子供たちはよく運動をする上、学業成績も優秀とのこと。フィンランド教育文化省では、複数人で行う身体運動が、協調性、社会性、理解力の向上を促し、この二つを両立できていると考えているようです。
 
無理強いするのではなく、一緒に体を動かすことで、子供たちにポジティブな経験をしてもらい、習慣づけを強化したいというのが勧告の趣旨だとか。
 
フィンランドでは、教育現場で運動の時間を増やすとともに、家庭でもなるべく活発に動くことが勧められています。教室から机と椅子を取り払って、自由に歩き回って勉強する環境を作ってみるといった取り組みもあるようです。
 
日本でもかつて、「塾生皆泳(慶応義塾大学の学生は皆、泳ぐべし)」という言葉があったようです。
 
慶應義塾は「陸の王者」を標榜していますが、水泳教育にも力を入れていたようです。1993年に体育が必修科目でなくなるまで、「塾生皆泳」は励行されていました。50m泳げなければ、登山やスキーなどの楽しげな体育の授業が取れないという仕掛けだったとか。
 
実際、運動能力と学力には正の相関があるという研究はいくつかあるようです。でも仮に本当だったとして、日本の子供達に3時間以上の運動は可能なのでしょうか。
 
平成27年度全国体力・運動能力、生活習慣等調査を見る限り、1週間に1,260分も運動している小学生はほとんどいません。調査方法も対象も違うので、単純な比較はできませんが、日本の子供たちの運動の機会は年々減っているように感じます。
 
世の中が物騒になってしまい、幼児の誘拐事件などが相次いで、子供たちだけが空き地や野原で遊ぶ光景は姿を消し、大人の目のとどく公園や施設での遊びが主体になって、ゲーム機にも時間を奪われていますから、週に21時間も活発な動きをさせることは難しいと思います。
 
日本の上記報告書では、運動時間が短いと運動能力が低いという想定内の結果が報告されていますが、運動時間が長いほど学業成績もよいとなれば、親の考え方にも変化が生まれるかも知れません。



斎藤幸雄