仕事で勝つには「インプット優先」をやめよう

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「まず自分でやってみて、わからないところは後で補う」
アウトプットを先行し、インプットは後にする方が、本当に必要な知識・能力の焦点が絞られ、結果的に効率的能力アップにつながる。
だが、多くの人はインプットを優先としていることが多い。それは学校教育の弊害によるものだという記事を見つけたので紹介します。
■インプットが先か、アウトプットが先か
誰しも、「効率的にスキルアップしたい」と願っているだろう。だが、どのようにすれば効率的にできるか、については意見が分かれる。そして、意見が分かれるテーマの1つに、スキルアップの手段として「インプット」が先か、「アウトプット」が先か、がある。わかりにくいので、例を挙げよう。
たとえば、英語の勉強をする際に、「インプット」を先にする人は、単語の勉強、文法の勉強、言い回しの勉強などを先にする。そして、ある程度それが頭に入ったところで、次に「実際にネイティブスピーカーと話す」という順番になる。「アウトプット」を先にする人は、「ネイティブスピーカーと、とりあえず身振り手振りでもいいので話してしまう」が先だ。その後、「こう言えばよかったのか」「これを言ってみよう」と、補強するためのインプットをする。
もちろんこれは、勉強だけでない。たとえば、自社メディアの立ち上げをまかされたとする。「インプット」を先にする人は、各種の自社メディアを研究し、分析する。そして得られた知見を使い、メディアをつくっていく。「アウトプット」を先にする人は、とにかくまず自社メディアをつくってしまう。記事と、媒体さえあればメディアの形はできてしまうのだ。とりあえずつくってみて、読者の反応を見ながら修正する。
仕事のスタイルはさまざまなので、ここでその是非を問うことはしない。しかし、私が出会った、いわゆる「仕事のできる人たち」は、おおむね「アウトプット」派であったように感じる。
たとえば、あるソフト開発会社の役員であるHさんは、部下のマネジャーに渡すための「プロジェクトマネジメントマニュアル」を持っていたが、それを新しいマネジャーに渡すのは新しいマネジャーの就任後、1カ月後と決めていた。「なぜすぐにマニュアルを渡さないのですか?」と聞くと、「最初に渡されてもろくに読まない。まずはやってみて、悩みが出てきたところでマニュアルを渡すとよく読まれ、役に立つ」と、答えた。
また、とある営業会社のトップ営業マンであるNさんは、「提案手法の刷新など、営業上で何か新しいことを試そう」と思ったとき、まずは自分でやってみて、それからうまくいかなかったときのみ、本などを参考にすると答えた。
フリーランスでゲームの開発を行なっているYさんは、「プログラミングスキルを上げるためには?」という質問に対し、「まずは何かソフトをつくること」と答えた。「本を買って勉強したり、学校に通ったりすることも悪くないが、それ以上にスキルを高めるのは、何かプロダクトをつくり上げるときだ」と、言い切る。
■学校教育が悪影響を与えている
1年でTOEICを400点台から800点台まで高めた、ある大企業の経営企画のEさんは、「どう勉強したのか?」という質問に対し、「とりあえずTOEICを受けてみました。問題の内容や、回答の方法、試験の雰囲気などがわかったので、あとはTOEICの模試などを買って、受けまくりましたね。単語や文法などは、あとから覚えにくいところだけやりました」と言う。
しかし、このような事例はごく一部であり、多くの人は「インプット」から始める。なぜ「インプット」から始める人が多いのだろうか。
その原因はおそらく、「学校の勉強」での体験にある。学校の勉強は一般的に「問題集をやらせて、そのあと、わからないところだけ教科書で」というスタイルではない。「教科書をしっかりやって、そのあとに問題集をやる」というスタイルだ。このスタイルが染みついているので、「インプットが先」というスタイルを採用してしまいがちになる。しかし、この方法にはデメリットも多い。具体的には、「習っていないのでできません」という言い訳が許されてしまうという状況が生まれる。
また、先に先に勉強してしまう子に対して、「小学校のテストで方程式を使ってはいけない。習っていない漢字を使ってはいけない」など、「習ったこと以外は使うな」という、不毛な制約が生まれることにもつながる。しかし、本来「きちんと習えること」など非常に少ない。仕事では習えないことの方がはるかに多い。
「習ったことがなく、勉強したこともないので、できません」という物言いは、仕事のなかでは許されないことも多い。だから、「仕事ができる人たち」は、「アウトプット中心」のスキルアップの仕方を身につけてきたのだろう。スキルアップのスピードを重要視するなら、「まずはアウトプットを中心に据えること」を意識すること。これを知っているかどうかは、けっこう重要な差なのではないだろうか。



高橋謙太