下り坂時代における能力アップとは?

今年の新潟県公立高校入試の結果が出て、大きな傾向をつかむと、それぞれの学区の普通科進学校が大人気です。まるで私が塾を始めたばかりの80年代かと思わせるような状況です。
少し前、1月のセンター試験の平均点の横ばいも、問題内容の複雑化を考えると実質的にかなり上がっていました。
また、中学2年生、1年生の様子や、親御さんからのご要望をまとめると、以前より早めに入試の準備をしなければならないのではないかということです。
これらのことから、少なくとも、現在19歳~14歳の子供さん世代は、親御さん(60年代~70年代生まれ)の進学率急伸時代の考え方の影響を強く受けていることが分かります。
進学率、経済指標がバブルへと上っていって、90年代に下っていった。ちょうど親御さんは若い時代に坂道のアップダウンを経験されたわけです。
アップダウン、これはこれで貴重な経験ですが、現在の子供たちの実感と合っているのかと言えば、2000年前後に生まれて下り坂で育って、身近なことを友達と協力したり、社会不全を早くから対象化したりしてきました。もう少しゆっくりと本人たちのペースで、現実と感性と思考を充分に繋げながら足腰の強い若者に育ってほしいと想います。
上り坂のときは他人はみな競争相手で、一歩でも先に進んだ人が有利なのは当然ですが、下り坂のときはどうでしょう?
想像ですが下り坂のときには、役割というのがとてもその子を育成するためには重要であると想います。上り坂の走り競争のときには役割とうよりはマラソンの中盤のように、各選手の間隔が開いており、集団競技なのだけれども個人種目みたいな様相になります。
しかし、下り坂では下らないための努力をするということは、主体間の距離は縮まります。そこに協力して役割を担うという意識も芽生え易くなります。現在はそういう時代のような気がします。
努力が大切であり、アドバンテージを持つことが有利に作用することは子供たちにも分るのですが、それ以上にみんなのために役割を見出そうという意志が結果的にみんなが助かる形で自分も助かることを薄々感づいているような感じがします。



佐藤英幸