日本の教育はどう変わる?~アクティブ・ラーニングの実践者・石川一郎さんに聞く~④

■日本の教育の転換期であるいま、家庭でできること
・2020年には大学入試で新テストが導入され、それに伴い小学校、中学校、高校の教育指導要領も改訂されることになると言われています。日本の教育が大きく変わっていくなかで保護者ができることはどんなことでしょうか?
※保護者の方には「お子さんの将来に対する価値観をどこに求めるか」ということをよく考えていただきたいですね。
・私としては成績がそこそこでも、やりたいことを見つけていってくれればいいと考えています。
※そういった意見も多いです。これまでの日本では、学力的中間層のお子さんたちは「言われたことをきちんとこなす」という傾向になりがちでした。こうした層は今後、急速に発達するとみられる「AI(人工知能)」に取って代わられるのではないかと私は危惧しています。
・確かに言われたことを機械的にこなすだけなら、AIにもできますね。
※もちろん高度な教育を受けられる高校を選択肢の1つとして受験に打ち込むのもよいと思います。しかし、もっとも大切なのは、お子さんのどんなところを伸ばしてあげるかということを、家庭の考えとしてしっかり持つことなのです。
・では、具体的に保護者はどのようなことをすればいいのでしょうか?
※まずはお子さん自身が興味のあることを発見できるように、幅広い体験をさせてあげてください。自然とのふれあいや歴史館や科学館での学び、読書などがおすすめです。
・幅広い体験をさせたほうがいいというのはよく言われますね。それ以外にできることはありますか?
※お子さんは家庭の外でさまざまな体験をしてきます。家に帰ってきて「今日はこんなことがあった」という話をよく聞いてあげてください。そうした話のなかにこそ将来へのヒントがあるはずです。このとき気をつけたいのは、①「ほかのお子さんと比較しないこと」、そして②「『そんなバカなこと」と大人の目線でお子さんの発想を否定してしまわないこと』の2つです。「そうなんだ」「それは楽しそうだね」と 共感的に聞いてあげてください。
これからの時代で求められるのは、いままでの常識では「そんなバカなこと」と思われていたような発想だと私は思います。
・それこそAIには絶対にできないことですね。
※そのとおりです。AIにとってはバグと言えるような発想こそ、これからの社会を担う人材に求められるものではないでしょうか。特に中学校1年生の終わりころから中学校2年生にかけては、反抗期を迎えて難しい時期ではありますが、「あなたはなにが好きなの」「やってみたいことはある?」と問いかけ、対話を続けてください。そうしてお子さんと向き合うことが、お子さん自身が自分の進む方向を見つける土台になっていくはずです。
・2020年に向けて日本の教育が転換期を迎えていることは間違いありません。これはよいチャンスでもあるのかもしれませんね。
※もちろん教育の現場でも努力が続けられていますが、いままでのように学校にまかせきりではすまない時代がやってくるでしょう。保護者の方もお子さんの個性やよいところをどうやって引き出すかを考えながら、サポートをがんばっていただきたいと思います。



A.i