あえて高校に行かず15歳で「コーヒーショップ」を構えた少年

2017年4月、群馬県桐生市にコーヒーショップ「HORIZON LABO」がオープンしました。店主は15歳の焙煎士・岩野響さん。彼は高校へ行かず、洋服店「リップル洋品店」を営む両親の手助けを受けて自分の店を持ちました。独学ながら「伊東屋珈琲」と「大坊珈琲店」大坊勝次さんに焙煎の手ほどきも受けています。
 15歳の少年が焙煎に目覚めて、お店までオープンさせてしまうなんてすごい面白い(リンク)と私はびっくりしたのですが、実は結構メディアにも取り上げられていて、彼の話を職場の仲間にすると、10人に1人ぐらいしってました。
それぐらい吸引力がある理由に、色々できない壁にぶつかったとき、ご両親ができないことではなく「できること」を探してごらんと言う言葉をきっかけに、持ち前の追求力で「ぼくができること」から「ぼくにしかできないことへ」昇華させてしまったエピソードがあります。追求力があれば、別に高校や大学に惰性でいく必要がないのだと本当にしみじみ感じられ、またやりたいことの実現にご両親や周りの大人が思考を解放させて向き合ったのが感じられるのもとても魅力的に感じます。
 一ヶ月のうちに7日しかオープンしない焙煎豆屋。あとの23日間は「研究」。追求の成果を毎月味わいに行きたくなるのも分かる気がします。
何時でも何処でも、誰とでも追求はできるし繋がれれば、別に学校って必要なくない?!と感じたのでした。
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(前略)
響さんはこの春、中学校を卒業したばかりの15歳。自らが焙煎したコーヒー豆を売る「HORIZON LABO(ホライゾンラボ)」を今年の4月1日にオープンしたばかりです。
(中略)
響さんへの興味のきわめつけは、店のチラシに書いてあったキャッチコピーでした。
「ぼくができることから/ぼくにしかできないことへ」
なんですか、その気になる響き……!
もうこの時点で響さんに夢中になってしまいました。なんで15歳で焙煎士を? どうやってお店を開いたの? もっとお話聞かせてください!!
 
どうして焙煎士になったんですか?
(写真)
左が響さん、右はお父さんの開人(はるひと)さん。響さんの両親は「リップル洋品店」という染織・テキスタイルデザインから自ら手がける洋服の店を営んでいます。
響さんは 中学1年生の夏ごろから勉強と部活の目まぐるしいサイクルについていけなくなり、学校へ行けなくなってしまったそうです。
「授業についていけない」「宿題ができない」「学校へ行けない」……たくさんの「できないこと」に直面してしまったとき、両親のすすめで「できること」を探してみることにしました。
元々、興味をもったことには脇目もふらずに熱中する性格。はじめは料理、続いてスパイス、そしてコーヒーへと、取り組むテーマは変わって行きました。
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「ぜひ試飲してみてください」と、響さんがコーヒーを淹れてくれます。どれどれ…
「わ、とても美味しいです!これ、響さんが焙煎したんですよね。コーヒーに興味を持ってから、焙煎を始めたきっかけって何だったんですか?」
「小学6年生のとき、両親の洋服を扱うショップのオーナーさんが『コーヒーに興味があるなら』と小さな手回し焙煎器をくれたんです」
「焙煎機のプレゼント!素敵な方ですね」
「すぐに親に頼んで生豆をとりよせてもらって、家で焙煎をしてみました。コーヒー豆の焙煎って、時間や温度で味がまったく変わるのが面白くて。そのあと、学校へ行けなくなった時に、本気で取り組んでみたいと思ったのが焙煎でした」
『できること』だったんだ!」
 
●焙煎ごとに違う2人の師匠
(中略)
はじめは独学で、焙煎の勉強を続けた響さん。そんななか、二つの出会いが訪れます。
まずは、地元・桐生のスペシャルティコーヒー専門店「伊東屋珈琲」。「浅煎り」の焙煎は、伊東屋さんに教わっているそうです。
そして、先生がもう一人。東京・南青山で2013年まで営業していた「大坊珈琲店」の大坊勝次さんに、「深煎り」の焙煎を見てもらっているそう。
(中略)
「そうだ、店を開くとき、ご両親はどんな風に手伝ってくれたんですか?」
「『そんなに焙煎が好きなら、お店をやってみる?』って提案してくれたんです。父が元々建築関係の仕事をしてたので、店舗のデザインもしてくれて。内装はほぼ手作りなんですが、父とペンキ塗りをしたりして、一緒に作りました」
DIYなんですね!お父さんとお母さんにも話を聞いてみなくちゃ」
 
●「僕にもできる」という自信を持ってほしかった
(中略)
「共通点が見つかって安心しました。響さんが学校へ行けなくなったとき、ご両親はどんな気持ちだったのかお伺いしてもいいですか」
「それは心配しましたよ。彼は感情が表に出にくいので、親としてどう接したらいいか悩むこともありました。だけど、できないことを無理してやらせるより、本人がやれることを見つけて『僕にもできる』って自信をもってもらうほうが大切だと思ったんです」
「親だからサポートするというより、彼のやる気や熱意に触発されて、私たちも動かされてる感覚なんです」
「ご両親の響さんへの距離のとり方が絶妙ですね。ちゃんと尊重しつつ、しっかり見守る。将来子供ができたら見習いたいです」
「店を作ることをすすめたのは、高校へ進学しなかったこともあり、彼が直接、社会につながる場所があったほうがいいなという理由もあって。彼自身のコミュニティみたいなものが、店を通じて生まれたら嬉しいです」
(中略)
そしてもちろん、コーヒーの研究も、まだまだ長い道のりの途中。目下の研究テーマはコーヒーと紅茶やハーブティーの組み合わせだそう。
 
若くして自分の「やりたいこと」を見つけて打ち込む響さんと、その姿を見守りながら、時にそっと背中を押してくれるご両親。素敵な親子が待つ桐生の町に、ぜひ遊びに行ってみてください。




池田みさき