「伸ばしたいなら離れなさい」考える力を育てるには?

子供達は元来考える力を持っているものですが、それを大人の声掛けや教育制度によって封印されてしまっているのが現状です。
わかってはいるけれど、どうしたらいいかわからない。そういう方に、具体的に自らの行動を振り返るヒントになりそうな記事をご紹介します。
***以下、リンクより引用***
「考える力」を育てるには大人は離れたほうがいい!?
今の大人は子どもの邪魔をしている――、少年サッカーで50万人もの子どもを指導してきた池上 正さんが、著書で警告を発しています。よかれと思ってやっている大人の接し方が子どもから考える力、自立する力を奪っているというのです。では、考える力を育てる大人とは? ぜひ本書で確認してみてください。
◆自発的に動かない、自ら考えない子どもたち
「これ、お受験ママにもいいかもよ」と知人に渡された新刊『伸ばしたいなら離れなさい サッカーで考える子どもに育てる11の魔法』。著者はサッカー界トップクラスの指導者。それでサッカーのエリート育成本なのでは?と思ったのですが、全く違いました。
この本は、子どものことに一生懸命になっているすべての親(コーチ、先生)へのメッセージです。著者の池上 正さんは、サッカーを通じて50万人の子どもたちと接してきて、周囲の大人の多くが、「子どもたちの邪魔をしている」と確信しました。サッカースクールだけでなく幼稚園、小学校などでも指導してきた経験から、池上さんは、今の子どもには以下のような傾向にあると指摘します。
・自分から自発的に動けない。
・アドバイスを待つだけで、自ら考えて工夫しない。
・仲良しの子とばかり接して、誰とでもコミュニケーションすることが苦
手。
・自分の成果だけに集中し、ほかの子の様子やグループのことを気にかけ
ない。
・男の子と女の子が混合で活動しない。(第2章 P46)
大学入試改革がスタートし、詰め込んだ知識より知識を使いこなす能力が問われる時代と言われているときに、これでは、まるで子どもが時代の変化と逆方向に進んでいるようです。そこで池上さんは、教育の専門家に協力を仰いで、こうした傾向を是正すべくさまざまな取り組みを行ってこられました。その土台の考え方が「子どもの邪魔をしない」なのです。本書のタイトル『伸ばしたいなら離れなさい』も同様です。大人の関わり方こそが、深刻な事態を招いているというわけです。
◆大人がいないほうが、子どもは成長する?
本書には、池上さんが実際に見てきた「大人が子どもの邪魔をしている」場面が多数報告されています。大人とは学校の先生であり、サッカーコーチであり、親たちです。
たとえば課題を出されて迷っている最中の子どもに、早々に“こうしなさ”と言ってしまう。その結果、うまくいったら“言ったとおりにしたらできたでしょ”と言ってしまう。子どもが自分の考えでやって失敗したら“だから言ったでしょ”と言ってしまう。一つひとつは小さな出来事でも、こうしたことの積み重ねが、失敗を恐れ、大人が指示してくるまで待つ、つまりは自分で考えない子どもを作ってしまうと、池上さんは警鐘を鳴らしているのです。
大人がその場にいないほうが、子どもは成長します。子どもは評価を気にせず、失敗を恐れず自由に活動できる。指示がないので自ら動く。誰かがけんかをすれば誰かが仲裁するなどして、コミュニケーション能力を磨きます。おとなしくて仲裁できなくても「そのドラマをみる」ことが未来につながるのです。(第2章 P45)
“わかってはいるのよ、でも実際にはねえ…”という声が聞こえてきそうですね。でも、だからこそ中学受験生の親御さんたちにも、この本を読んでいただきたい。なぜなら子どもの邪魔をしないことで、「自分で考えられる子」「自発的に動ける子」を育てる方法が書いてあるからです。それは決して子どもに無関心になることでも、放任になることでもありません。
◆子どもの邪魔をしない関わり方がわかる!
具体的な方法は、本文で、大人が子どもの邪魔をしている場面をあげながら語られていきます。各章のタイトルと、参考になりそうなサブタイトルをご紹介しておきましょう。
第1章 失敗させる
「こんなこともできないの?」、つい言っていませんか?
第2章 大人は消える
嫌がってもきつく言ってやらせることが、「本当の厳しさ」ですか?
第3章 眺める
「うちの子、スランプなんでしょうか?」とすぐ不安になるのはなぜでしょうか?
第4章 答えを持たない
「コーチの言うとおりにしたから勝てたでしょ」「ママのいうこと当たるでしょ?」と言っていませんか?
第5章 他者を感じさせる
仲間の動きに合わせて動ける子が、減っていませんか?
第6章 選ばせる
「絶対にできる!」「頑張って10回!」つい断言していませんか?
第7章 質問を変える
それは子どもが「自分で考えて選んだ答え」でしょうか?
第8章「ほめる」より「認める」
「すごいね~」「うまいね~」抽象的なほめ言葉が多くなっていませんか?
第9章 リスペクトする
やりたくなくても言われたことをやる。それが練習だと思っていませんか?
第10章 刺激する
「真面目に練習しろ」「ちゃんとやれ」強い刺激ほど効果があると思っていませんか?
第11章 大人の出番を心得る
失敗させろ、消えろ、眺めろって……。じゃあ、大人は何をすればいいの?
(中略)
最後の第11章には、大人の出番が3項目あがっています。曰く、「子どもが自分で考えるときの「基礎(ベース)」をつくるとき」「やる過ぎる子にストップをかけるとき」「上手な子どもがテングになりそうなとき」。そして、「3つ以外の時間は、見守り続けるべきです。」と。
昭和の時代の子どもには、大人の目の届かないところで過ごす時間がたっぷりありました。空き地や原っぱで暗くなるまで友達と遊んだ経験がある方も多いでしょう。しかし今、そんな時間も空間もほとんどありません。しかも親には、安全上の理由で子どもを見守らなくては、という脅迫感にも似た思いがあったりします。そんな今には、昭和の時代とは違う、子どもとの接し方の知恵が必要なんだなあと思いました。





鈴木葵