学校に行くのは週1 前向きな不登校を選択したある親子の挑戦1

学校に行くのは週1 前向きな不登校を選択したある親子の挑戦(リンク)
状況に応じた判断をしている人が居る。
「学校に行くのは週1 で前向きな不登校」という挑戦。当たり前という常識から脱した自由な発想は思考の解放をしていると感じた。
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 年間30日以上学校を休んだ場合、文部科学省の定義では、おおむね「不登校」と判断される。しかし、東京都内に住む会社員の佐別当(さべっとう)隆志さん(40)の娘の絵理ちゃん(7)は、あえて小学校に通うのは週1日とし、それ以外は英語教室に通ったり、母親の指導を受けたりして学ぶ。背景には「画一的な学び」への抵抗感がある。
 学校と学校外の学びを組み合わせた教育方法を佐別当さんは「ハイブリッドスクーリング」と呼び、一つの選択肢として普及を目指している。しかし、法的な課題も多い。ハイブリッドスクーリングの定着はあり得るか。現状を取材した。 
◎シェアハウスに暮らし、多様な大人の中で育った娘「学校に行かせるより家で学んだほうが伸びる」
 山手線のとある駅から徒歩圏内にある一軒家が佐別当さん一家の住みかだ。しかし、ただの家ではない。一家の居住空間以外に、シェアハウスの機能が備えられている。佐別当さんは会社員の傍ら、このシェアハウスのオーナーを務める。運営は台湾人の妻、楊麗●(ヨウリーシェン、38)さんの仕事だ。(●は王へんに旋)
 家族以外の大人が日々出入りし、書道や演劇のワークショップなども自宅で開催してきた。一般的な家庭よりもにぎやかな環境で、絵理ちゃんはのびのびと育ち、人懐っこい、物怖じしない性格となった。「友達作るのなんて簡単だよ」。天真爛漫な笑顔は、いわゆる「学校に行くつらさを抱えて不登校となった子供」のイメージとは程遠い。
 そんな絵理ちゃんを毎日小学校に通わせないことに決めたのは、佐別当さん夫妻の教育観によるところが大きいという。
 「家で学校では学べないような体験をさせている。画一的に教えられるよりも、生活の延長で学んでいくほうが力を伸ばせるのではないか」(楊さん)、「学校に行かせるのが正しいんだろうかというのが疑問としてはあった」(佐別当さん)
(中略)
◎週1回、体育だけ参加 それ以外は英語で学ぶアートスクールに通ったり、自宅で勉強したりして過ごす
 絵理ちゃんのスケジュールはこうだ。
 週に1日、水曜日は小学校へ行き、体育だけ参加する。それ以外の日は火・木・土曜日、午前9時~午後2時に、都内にある就学前から通っている英語で学ぶアートスクールで過ごす。金曜日には学校の放課後にあたる時間に、別の探求型の学習塾で、宇宙や動物などいろいろなテーマについて調べたりするプログラムを受けている。月2回、日曜日には、英語で税金や株などお金について学ぶスクールにも通っている。
 家庭での学びはどうか。習い事がない日は午前9時~10時に、楊さんが教える形で、英語、算数と国語の勉強をするという。好きな英語の歌を歌詞をみながら歌ったり、楊さんが選んだ教材で漢字を書いたり、計算したりしているといい、「教科書は学校からもらってきているけれど、教科書どおりに教えるのではなく、必要なものを自己流で教える」(楊さん)という。月曜日は月に2回、日本語の家庭教師をつけているといい、1時間半、国語を集中して学ぶ。
 自宅での学びでは、子供がついついさぼってしまうこともありそうだが、佐別当さん夫妻は「それはない」と語る。「ずっと勉強せずに、iPadばかり見ていたりとかはすごく怒る。やるときにやらないと時間が無駄だと。算数は計算が難しいから、思考しなくなったりすることがある。そういうときも、ちゃんと自分の頭で考えなさい、と厳しく言う」(佐別当さん)
 楊さんは、教科学習以外の部分も大切にしている。「スカーフやドレスを手作りしたり、誕生日ケーキを自分でデザインして作ったりして、生活の中から自然と学ぶということを大切にしている。最近はクリスマスに向けて毎日カウントダウンのクリスマスカードをデザインし、待つ気持ちを英語でカードに書いてもらう」「生活の中にあるものを活かして教育することで、自然に彼女はどんどん自分のキャパが広がっていく。それが重要だと思っている」(楊さん)
 夏には台湾人の楊さんの帰省に同行し、数週間台湾で過ごすという。生活から学ぶスタイルで、絵理ちゃんは、英語、中国語、日本語が話せるようになった。
 佐別当さんは、「日本でしか通用しない人間になってほしくない」と話す。 
学校教育法では「保護者は子を小学校に就学させる義務を負う」
 信念に基づいて、絵理ちゃんをさまざまな手法で教育している佐別当夫妻だが、そもそも法律的には学校に行かせない、ということの位置づけはどうなっているのだろうか。
 学校教育法では、「保護者は、子の満六歳に達した日の翌日以後における最初の学年の初めから、満十二歳に達した日の属する学年の終わりまで、これを小学校又は特別支援学校の小学部に就学させる義務を負う」と定められている。子供を小学校に行かせることは親の義務なのだ。
 一方で、今年からは「教育機会確保法」という法律が新たに施行されている。教育機会確保法では「不登校児童生徒が行う多様な学習活動の実情を踏まえ、個々の不登校児童生徒の状況に応じた必要な支援が行われるようにする」ことを基本理念としている。
 今年の3月には文部科学省から自治体などに向け、以下のような通知が出されている。
 「家庭で多くの時間を過ごしている不登校児童生徒についても、社会的自立に向かえるよう、家庭への学習等の支援を行うことや、当該学習等への社会的な理解の促進を図ることは重要である」
 以前よりは、「学校以外の場で学ぶ」ということを選択しやすい環境にはなってきていると言えるだろう。





池田みさき