学校と社会はつながっていない

日テレ系のドラマ「先に生まれただけの僕」では、リアルな教育現場が描かれ、話題を呼んでいる。
このドラマの作成秘話を読むと、今の学校の現状=課題を鋭く捉えていることが分かるので、紹介したい。
リンクより
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「将来役に立たないことをなぜ学校で学ばなければならないのか?」――この問いに答えられる大人が一体どれほどいるだろうか。
「ぼくには夢があるので、大学には進学しません」この高校生の決断に対して、夢を追いかけることを応援し、「大学には行かなくていい!」と言える大人がどれくらいいるだろうか。では、「夢なんて甘ったれたこと言ってないで大学に行け!」という大人は?
「勉強したほうがいい」「夢を持つことは大切だ!」、そんな言葉は世の中にあふれている。しかし、このメッセージの背景や真意に一歩踏み込むと、そこには多くの葛藤がある。だからこそ、その葛藤には触れずに距離を置く。そんなことを聞かれても答えられないから、できるだけ聞かれたくない、それが多くの大人の本音ではないだろうか。
VUCA*の時代が到来し、先行き不透明でこれまでの正解が通用しなくなる中で、若者が持つ「学ぶことの意味」に対する疑問や「将来の夢と大学進学どちらを選ぶか」という悩みに、大人が向き合わなければいけない場面は増えていくだろう。
(*注:不安定で不確実で複雑で曖昧な現代社会を指す言葉。
 教育現場も、社会の大きな変化のなかで変革が求められている。主体的に学び、新しい価値を生み出し、自分たちの力で未来を創り出していける生徒を育てていくような、そんな教育が求められている。そういった教育が求められるとき、大人と子ども、先生と生徒の関係はこれまでとは一変する。大人がこれまで培った知識を伝える「伝達者」で、子どもはそれを受けとる「享受者」であれば、大人は「先に生まれた」存在であることでその立場を維持することができ、子どもは疑問を持たずに大人からの指導を受ける。
 しかし、みんなが追い求める正解像がなくなり、ITをはじめ次世代のほうが詳しく、しかも可能性の大きな領域がどんどん広がるなかで、子どもたちは「学ぶ意味」や「将来への不安」をストレートに大人にぶつけてくるようになる。そしてこれまで通説だった「いい会社に就職するために勉強するんだ」「安定のためには大学に行け」という回答では彼らは納得しなくなっている。そのとき、大人が「先に生まれた」意味を改めて問われることになる。
●学校と社会はつながっていない
 いろんな先生から話を聞くうちに、なんとなく学校と社会って、ピシッと線がつながってないと感じるようになりました。学校と社会は「就活」という境目で、就活スーツに変わるように、まったく違う価値観にシフトすることを要求されている。
 これから先、日本に幸せな未来が待っているとはとても思えないし、人口は減って国力は下がっていきます。そうした事態を避けるためには、ロボットなり移民なりを受け入れていかなきゃいけない現実が将来待っています。
 それについて何の危機感も伝えずに、「とりあえず大学入れ」とか「就職なんとかいいところに入れ」とかって言うだけでは、「なんで(現実を)教えてくれなかったんだ」って後から言われるんじゃないかっていう思いが、実感として沸き起こってきました。そのときに、民間企業から来た人間が生徒にリアルな社会の仕組みとかを教えられるっていうことがこのドラマでできるかもしれないと思いました 。




天野 弘