ジェームズ・ダイソン語る:わたしは可能性ある「若者の未来」のために、給与を支払う独自の大学をつくった

 2017年9月、サイクロン掃除機でしられるダイソンが工科大学に相当する学校を設立した。これまでの学校の概念を覆す学校。
 世界屈指のレヴェルの現役エンジニアから指導をうけながら、なんと、相当額の給与も支給され、もちろん、卒業時に学費ローンが残るなどという事は無い。
 日本では、日本電産の永守会長が、京都学園大学の理事長に就任し、若者の人材育成に着手する333146。
 最先端で闘う企業が、自ら人材育成に乗り出している。これまでの「大学」の形がかわり、淘汰が一気に進むと思われる。
リンクより引用します。
※※※以下、引用※※※
ジェームズ・ダイソン語る:わたしは可能性ある「若者の未来」のために、給与を支払う独自の大学をつくった
サイクロン掃除機で知られるダイソンが、工科大学に相当する独自のエンジニア養成機関を2017年9月に設立した。なぜ、ダイソンは独自の大学をつくったのか。そこには深刻なエンジニア不足への危機感と、可能性ある人材の「未来」を切り拓く後押しをしたいという強い思いがあった。創業者ジェームズ・ダイソンによる寄稿。
世界の最先端を行く企業は、人類の未来を創り上げるのに忙しい。しかし、その未来にたどり着くために、企業は高度に熟練した技能をもつ優れた人材に完全に依存している。
成長を持続させるため、また価値ある知的財産を商品化して輸出するというグローバルな競争を闘うために、わたしたちはエンジニア不足を解決しなければならない。そしてこの問題は、科学やテクノロジー、工学といった方面で大きな脅威になっている。
歴史をひもとくと、イギリスにはこれまで工学技術者の育成において十分な体制が整っていなかった。欧州連合(EU)からの脱退後の英経済にとって極めて重要となるSTEM(科学・技術・工学・数学)分野での教育では、特にそうだと言える。工学関連だけでも年間6万9,000人の技術者不足が生じており、独創性を売りにする企業は結果として研究開発を国内で行うか、のどから手が出るほど欲しい人材をどこかほかの場所で見つけるかという選択を迫られている。
次世代の教育に誰が向き合うべきか
教育は変革を必要としている。就学児童の65パーセントは将来、現時点では存在もしない職業に就くとされる時代にあって、世の中で高い評価を受ける教育機関が量産しているのは、実用的ではない学位の修了者だ。教育は確実な成果を伴わないのに、そのコストは増加の一途をたどっている。
当然のことながら、学生たちは高等教育に価値はあるのかという疑問をもつようになっている。年間9,250ポンド(約144万円)の学費を払ったうえで、授業時間はせいぜい週に4時間程度なのだから、なおさらだ。
幸いにも変化の兆しはある。今年1月まで大学・科学担当大臣を務めたジョゼフ・ジョンソンはこの問題に気づき、次世代を担う人工知能(AI)、ロボット工学、コネクテッド関連製品、組み込み機器やソフトウェアを生み出すための開発と投資をしているのは企業だという事実に目を向けた。
昨年成立した高等教育研究法が意味するのは、次世代の教育に当たるべきなのは、未来に向けた投資と開発を行う企業やエンジニアだということだ。自分たちが創造しようとしている新しい世界に向けて、若者たちを鼓舞するのだ。ダイソンはこの機会を喜んで受け入れようと思う。
「完全に新しくデザインされた高等教育」
「ダイソン インスティチュート オブ エンジニアリング アンド テクノロジー」は、昨年9月開校した。最高の知性を備えた学生33人を採用し、フルタイムで仕事と研究に携わってもらっている。
優秀で熱意ある若きエンジニアたちはウォーリック大学と共同で与えられる工学学士の取得を目指して学ぶ一方で、ダイソンのプロジェクトを通じて現場での経験を積んでいく。彼らを指導するのは、世界屈指のレヴェルにある現役のエンジニアだ。学生たちには相当額の給与が支給され、卒業時に学費のローンは残らない。完全に新しくデザインされた高等教育だ。
ダイソンはこれまでに9,000件近い特許を出願しており、これはイギリスのどの大学より多い。わたしたちの創造性が多くの未来の発明家にひらめきを与え、彼らを教育するのに大いに役立つことは、学者でなくてもわかるだろう。
若く有能なエンジニアたちは最先端を行く現場の熟練エンジニアと肩を並べて新しい技術を開発し、実際に家庭で使われる製品を生み出していく。そしてこれは学業と両立して行われるのだ。
(中略)
好奇心と創造力の種を耕す
わたしたちダイソンは、目の前にある好奇心と創造力の種を耕すことで、可能性に満ちた未来に投資する。そしてわたしは、高等教育における変革というさざ波が、いずれは心躍るような進歩の大きな波を生み出すと信じている。
ダイソンは素晴らしいエンジニアの卵である優秀な人材と、よりよい製品をデザインする才能を手にするだろう。わたしたちの下で学ぶ学生は実戦から学び、独自の解決策を見つける機会を得る。わたし自身がかつて、発明家でロトルクの創業者の故ジェレミー・フライの下で修行をしていたときとまさに同じだ。
わたしは彼から刺激を受け、生涯にわたるエンジニアリングの追求を始めた。そしていま、ほかの誰かを同じ道に導くことができればと思っている。
※※※引用、以上※※※




野崎章