“進学しない”のではなく“早く社会に出て働きたい”

大学進学率が50%を超える時代となっている。
そして、大学へ進学してから働く人の比率も増えている。
“就職活動”においては、情報収集力や訓練機会の多い大学生の方が器用に振舞うが、入社してしばらくすれば大卒者と高卒者の差異がほとんど感じられなくなることも多い。
むしろ、実践場面を通して高卒の方が、短期間で大きく成長することもある。
その大きな理由のひとつとして、進学よりも働く必要性を感じ取り、自ら社会に出ることを選択していることが考えられる。(大学進学率は上昇しているが、必要性を感じて進学している層は相対的に少なくなっているのではないか?)

貧困が克服され、強制圧力が作用しなくなった時代だからこそ、自ら社会の圧力(期待)を掴みに行けるかどうかが、活力や成果、成長を規定する。また、社会の期待を感じるからこそ、学び追求すべきものも見えてくる。

早く社会に出て働きたい(役に立ちたい)という子供の思いは極めて健全なものだし、そう思える社会を作っていくことが、先に社会に出ている者達の役割ではないだろうか。

◇女子大生よりも女子高生のほうが入社後に仕事で「化ける」理由リンク
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~前略~

今年ある小売系の企業の新入社員研修を担当した。60名ほどの新入社員のうち毎年20%前後の割合で「高卒」の新入社員がいる。

研修前はパッとみた瞬間に誰が高卒かは判断できる。ディスカッションなどをやると差は歴然で、ゼミや就活などのグループディスカッションで鍛えられた大卒組は慣れているためか発言数も多く余裕が見える。逆に高卒組は戸惑いどうしていいかわからない様子だ。

ディスカッションなどはどの新入社員研修でもよくある内容だが、私が毎年携わる新入社員研修はかなり厳しい内容で、2泊3日の合宿型で行い、受講者を4〜5名ほどのチームに分け40kmを歩いて順位を競うようなハードなプログラムもある。当然途中でリタイア者が出るほど肉体的にも精神的にも追い詰められる研修だ。

正直ここまで来ると大卒も高卒も関係ない。むしろ高卒者の方が歯を食いしばって足がつりながらゴールするケースは多い。大卒の同期が続々とリタイアする中なぜそこまで頑張れるのか正直不思議であった。

私の担当したチームに1人足を痛めながら必死に他の男子メンバーに食らいついている高卒の女子メンバーがいた。あまりに忍耐力があるので彼女のプロフィールを見ると「空手」を中学高校とやっていることが書いてあり「なるほど」と私は納得した。

しかし最終日に行ったお世話になった人への「感謝の手紙」を読むプログラムで、彼女がどんなに苦しいことにも忍耐する「本当の理由」がわかった。

彼女の感謝したい人は「母親」だった。他の受講者もほとんどは両親かお世話になった先生が多い。しかし彼女の感謝している理由は他の受講者とは違った。

彼女は三姉妹の長女で家が母子家庭だったので、母親はいつも仕事で家にいなかったらしい。祖父母と一緒に暮らしていたが、震災の年に祖父が亡くなってからは「女5人家族」の中で彼女は長女としてバイトをしながら母親や妹を支える立場になったようだ。

母親は仕事が忙しいにも関わらず授業参観にはいつも必ず来てくれたらしい。そして仕事をしながら勉強を続け、看護師の資格を取り、彼女含め3人の娘を1人で育ててくれたようだ。

だから彼女は大学には行かずに社会に出て働く決心をし「今度は私がお母さんを支える番なんです」とその会社への入社を決めた。だから40km歩く中で足がつろうと、今までのお母さんの苦労を考えればその痛みなど苦しくないらしい。彼女は今回の研修で社会人として最も成長した受講者の1人となった。

大学進学率が50%を超える現在、彼女に限らず高卒の新入社員の多くは「働かなければならない理由」がある。

それは周囲から見れば「かわいそう」と思える理由かもしれないが、本人たちにとってはある意味「当たり前」のことであり、逆に成長のエネルギーとなっている。

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「働かなければならない理由」があるというよりも、働く必要性とその充足に周りよりも早く気付いたからこそ、大きな成長を遂げているのだ。

 

 

 

 

稲依小石丸