日米の学校教育の違い

日米の学校教育の違いについて
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日米の学校教育の違い

 アメリカで塾や予備校が日本のように発達していないもう一つの理由として、両国の学校教育の違いを挙げることができると思います。

 日本の学校では、基本的には全生徒が同じ学力レベルの教育を受けることが前提となっています。例えば、一つのクラスの中にも数学が得意な生徒と苦手な生徒が混在していることが少なくありませんが、基本的にはどちらの生徒もクラスの一員として同じ数学の授業を受けます。私自身の経験を振り返ってみても、中学では特にその傾向が強かったと思います。高校の後半になると、英語や数学では学力別に授業が行われるようになりましたが、その他の教科では選択科目が増えたため(例えば地歴では日本史と地理から選択)、そこからさらに学力別に生徒を分けるのは困難という事情もあったためか、行われませんでした。

 このような形で学校教育が進められる場合、苦手な生徒にも理解してもらえるように授業を進めていく必要があるために、難易度の高い授業はなかなかできません。もちろん、学力の高い学校とそうではない学校という区別はあるのですが、例えば学力の高い学校にいる生徒でもある特定の教科はとても苦手、というようなケースもあり、やはり難関大学の入試問題に対応するという点で見れば学校の授業だけでは限界があるのかもしれません。そのため、難関大学の志望者は学校以外にも塾や予備校に通うことで入試に備える必要性が出てきます。

 一方、アメリカの学校では、生徒にそれぞれの学力レベルに合った教育を受けさせることを日本の学校よりも重視しています。いわゆる「飛び級」も頻繁にありますし、逆に学力水準が達していないと判断された場合は小学生であっても留年になることもあります。また、早生まれであったり、移民などで英語が十分にできない子どもの場合、親や学校の判断で実年齢の学年よりも下の学年で学ぶことも可能です(これについては恥ずかしいこととは見なされません)。そのため、優秀な生徒については難易度の高い授業を受けさせる慣習や制度が学校教育の中に根付いており、日本のように学校の授業だけでは難易度の高い入試問題に対応できないために塾や予備校に通うという必要性に乏しいという事情もあるのだと思います。

まとめ

 日本で塾や予備校が非常に発達している一方でアメリカではそれほど発達していない背景には、こうした両国の入試形態や学校教育の違いが影響しているのでしょう。日米どちらの学校に進学するとしても、こうした両国の教育制度や慣習のあり方を知っておくことがとても重要になってくると思います。

 

 

 

 

大越菜央