小1の教科書袋の言葉が「恩着せがましい」理由を探ると、高知のお母さんに行き着いた 小中学校の教科書は56年前まで、お金を払って買うものだった。(1)

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小1の教科書袋の言葉が「恩着せがましい」理由を探ると、高知のお母さんに行き着いた
小中学校の教科書は56年前まで、お金を払って買うものだった。(1)

2018年度も、教科書を入れたあの「袋」が小学校に入学する子供たちに配られた。
「次代を担う子供たちに対し、わが国の繁栄と福祉に貢献してほしいという国民全体の願いを込めて」
「この制度に込められた意義と願いをお子様にお伝えになり、教科書を大切に使うようご指導いただければ幸いです」
こんな風に書かれている。教科書が無料なのは、当然なのになんでこんな書き方をするのか。数年前からTwitterなどで「恩着せがましい」「言葉が気持ち悪い」などと話題になっている。

保護者の皆様へ
お子様の御入学おめでとうございます。
この教科書は、義務教育の児童・生徒に対し、国が無償で配布しているものです。
この教科書の無償給与制度は、憲法に掲げる義務教育無償の精神をより広く実現するものとして、次代を担う子供たちに対し、わが国の繁栄と福祉に貢献してほしいという国民全体の願いを込めて、その負担によって実施されております。
一年生として初めて教科書を手にする機会に、この制度に込められた意義と願いをお子様にお伝えになり、教科書を大切に使うようご指導いただければ幸いです。

文部科学省
この紙袋は、1966年度から小学校に入学した1年生に毎年配られていて、「教科書給与用紙袋」という名前だ。
2017年4月には、衆院議員が政府に紙袋に書かれたメッセージの効果や趣旨を尋ねる質問主意書も提出された。
国会議員からの質問に対して、政府は2017年、次のように説明している。
袋を配る目的は「小学校に入学する児童に教科書を無償で与えるにあたり、入学を祝い、無償の趣旨の徹底を図るとともに給与の便に資すること」で、「各学校の校長は、この紙袋を受領し、これに教科書を収納して、入学式の当日等に、教科書無償給与の趣旨を説明して、児童に給与すること」となっているという。
2017年度には、667万3843円の費用がかかったという。
なぜ、こんなメッセージが盛り込まれているのだろうか。

■小中学校の教科書は昔「有料」だった
小中学校の教科書はかつて無料ではなく、子供の保護者たちが買うものだった。
「義務教育は、これを無償とする」ーー。憲法26条にはそう書かれている。だが、実際には学用品や体操着、算数セットやピアニカは大人が自腹で買っている。
では、どこまでが「無償」なのか。

1964年2月の最高裁判決は、無償の範囲を「授業料だけ」と判断した。
つまり、最高裁は、この時点では、教科書は「無償でなくてもいい」としたのだ。
では、どうやって教科書は無償になったのか。そこに至った背景には、高知市長浜地区の母親たちが、1961年に始めた運動があった。
「つづく」

 

 

 

 


今井勝行