変わる「夜間中学校」の現在地―多様化するニーズ、政府は拡充へ②

変わる「夜間中学校」の現在地―多様化するニーズ、政府は拡充へ①のつづきより~

■対象者12万人超 文科省「増設」に乗り出す
「松戸」のような自主運営は、「自主夜間中学」「識字講座」などの名で各地に存在する。文科省の2014年調査によると、全国で計307件。ただ、青森、岩手、宮城、富山、山梨、鳥取、山口、香川、佐賀、長崎の10県はゼロだった。「公立」も8都府県に31校しかない。

夜間中学の入学希望者になり得る未就学者(学校に在籍したことのない人や小学校を途中で退学した人)は全国で今なお、12万8千人以上もいるのに、である。

これら未就学者に学びの機会を確保するため、文科省は最近、公立の夜間中学を各都道府県に1校は設置できるよう、自治体への財政支援などに乗り出している。

直接のきっかけは、2016年に成立した教育機会確保法だった。文科省教育制度改革室の田中義恭室長(43)は「この法律が超党派の議員の方々の動きで成立したのは大きかった。夜間中学の推進に向けて一層の力を得ました」と話す。

夜間中学は、日本の歩みを映す鏡のような存在でもあった。戦後の混乱期には、昼間に働くことを余儀なくされた学齢期の子どもたちが学ぶ夜間学級として、各地の中学校に付設された。1955年ごろには全国で80校以上あったという。その後の経済成長で国民が豊かになるにつれ、当初の役割を終え、数も減った。

いま、生徒の主役は外国人だ。2017年度の文科省調査によると、公立全31校の生徒計1687人のうち、8割が外国籍。うち、4割を占める中国がトップで、以下、ネパール、韓国・朝鮮と続く。

田中室長は言う。
「税金を使う夜間中学で外国籍の方を受け入れることに、違和感を覚える人もいるかもしれません。でも、夜間中学では、言葉だけでなく、日本で生きていくための基礎的な知識を得ることができます。外国の方が日本社会に適応する手助けになりますし、これは社会の安定や発展にもつながると考えています」

そして、「圧倒的多数は外国人」という生徒の顔ぶれも姿を変えていくかもしれない。不登校などで十分な教育を受けられないまま卒業した「形式卒業者」、および、不登校の学齢期生徒についても、「公立夜中」は受け入れるよう、文科省は15、16年と立て続けに各地の教育委員会に通知したからだ。

フリースクールなどと並ぶ多様な教育の受け皿。そこに「公立夜中」も加わり、既卒者らの学び直しの場にもなりそうだ。変わる「夜間中学校」の現在地―多様化するニーズ、政府は拡充へ①のつづきより~

■対象者12万人超 文科省「増設」に乗り出す
「松戸」のような自主運営は、「自主夜間中学」「識字講座」などの名で各地に存在する。文科省の2014年調査によると、全国で計307件。ただ、青森、岩手、宮城、富山、山梨、鳥取、山口、香川、佐賀、長崎の10県はゼロだった。「公立」も8都府県に31校しかない。

夜間中学の入学希望者になり得る未就学者(学校に在籍したことのない人や小学校を途中で退学した人)は全国で今なお、12万8千人以上もいるのに、である。

これら未就学者に学びの機会を確保するため、文科省は最近、公立の夜間中学を各都道府県に1校は設置できるよう、自治体への財政支援などに乗り出している。

直接のきっかけは、2016年に成立した教育機会確保法だった。文科省教育制度改革室の田中義恭室長(43)は「この法律が超党派の議員の方々の動きで成立したのは大きかった。夜間中学の推進に向けて一層の力を得ました」と話す。

夜間中学は、日本の歩みを映す鏡のような存在でもあった。戦後の混乱期には、昼間に働くことを余儀なくされた学齢期の子どもたちが学ぶ夜間学級として、各地の中学校に付設された。1955年ごろには全国で80校以上あったという。その後の経済成長で国民が豊かになるにつれ、当初の役割を終え、数も減った。

いま、生徒の主役は外国人だ。2017年度の文科省調査によると、公立全31校の生徒計1687人のうち、8割が外国籍。うち、4割を占める中国がトップで、以下、ネパール、韓国・朝鮮と続く。

田中室長は言う。
「税金を使う夜間中学で外国籍の方を受け入れることに、違和感を覚える人もいるかもしれません。でも、夜間中学では、言葉だけでなく、日本で生きていくための基礎的な知識を得ることができます。外国の方が日本社会に適応する手助けになりますし、これは社会の安定や発展にもつながると考えています」

そして、「圧倒的多数は外国人」という生徒の顔ぶれも姿を変えていくかもしれない。不登校などで十分な教育を受けられないまま卒業した「形式卒業者」、および、不登校の学齢期生徒についても、「公立夜中」は受け入れるよう、文科省は15、16年と立て続けに各地の教育委員会に通知したからだ。

フリースクールなどと並ぶ多様な教育の受け皿。そこに「公立夜中」も加わり、既卒者らの学び直しの場にもなりそうだ。

 

 

 

 

鎌田華菜