「生きること=働くこと」ありき→教育機関も「必要か否か」の判断の土俵に

これまでは、小学校→中学校→高校→大学へと、進学する事が、みんなの希望で、「行けるかどうか」はあっても、それが普通だった。いわば、「教育機関」ありきの時代。21世紀は、「生きること=働くこと」ありきで、教育機関は「必要か否か」の土俵に確実に乗せられる。まず、大学から、その動きは始まっており、それが、高校、中学、小学校へと進む流れは止められない。

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※※※以下、引用※※※

1年で「大学」出て就職? 米で注目の教育機関

学位はないがローンもなし 学生人気高く合格率もアイビーリーグ並み

 米バージニア州ハンプトンに住むエイダン・キャリーさん(19)は高校3年生だった昨年、名門のダートマス大学、バンダービルト大学、そしてバージニア大学に出願した。だがその後、サンフランシスコにある創立わずか1年の教育機関「ミッションU」のウェブサイトを見つけ、すぐさま自分の第1志望に決めた。

 キャリーさんは今、同校でデータサイエンスを学ぶ1年間のプログラムを受けている。1週間の勉強時間は40~50時間ほどで、教育の一環としてサンフランシスコのベイエリアにあるハイテク企業を訪問することもある。卒業後は3年にわたり収入の数パーセントを学校に支払い続ける取り決めだ。

 米国では今、ミッションUのような新しい教育機関が人気を集めている。同校は50人の枠に対し、1万人以上から応募があったとする。

 キャリーさんは「大学の学費を見て自分には厳しいと感じる人がいると思う」と話し、「そうした人たちはこの種のプログラムを待っていたので、登場するとすぐにその提案の価値を理解したのだろう」と続ける。

 昨年9月に一期生を迎え入れたミッションUのような学校は、デジタル時代に大学に取って代わることができる新種の教育機関として名乗りをあげている。こうした学校によれば、応募者の合格率はアイビーリーグが発表している合格率と同じ1桁台で推移。ここならば学生ローンの負担はなく、注目される分野でスキルを習得し、ハイテク企業で訓練を受けることも保証される。これらを合わせて提供することで、学生は多くの収入を得られるIT(情報技術)系企業に就職する道筋を立てることが可能になる。

(中略)

「学位は死んだ」

 学生ローンの負担が増え、学位がもたらす価値に疑問の声が聞かれるようになった今、多くの政治家なども専門学校のように大学の代わりになる教育機関の魅力を発信している。一方で従来の4年制の大学では、入学者数の差などによって勝ち組と負け組が鮮明になってきている。

 大学に代わる教育機関のはしりは、2011年に登場し始めたプログラミング訓練校だ。こうした学校はソフトウエア工学の授業を提供し、学生は大学卒業生か大学中退者が大半を占める。業界動向を調査するニューヨークのコース・リポートの共同設立者、リズ・エグルストン氏によれば、2017年には少なくとも95のプログラミング訓練校が数十の都市に展開し、2万2949人が卒業した。訓練校の学費は平均で1万1000ドル(約117万8000円)。プログラムは14週間で終わる。学生らは卒業後、平均して年7万1000ドルの初任給を受け取る仕事についているという。

 新たに登場したミッションUなどは、もっと長期間にわたるプログラムを提供する。米カリフォルニア州では最近、ホルバートン・スクールと「42」と呼ばれるプログラムがオープン。インディアナ州インディアナポリスではケンジー・アカデミーが2つめのクラスを開講したところだ。こうした教育機関はデジタルなスキルの習得に集中しているものの、それ以外にも問題解決能力やチームワークに関わる一般的な教育課程も少しずつ取り入れ、大学の代わりになる教育機関としてアピールをしている。

 米サウスカロライナ州にある創立5年目のデジタルスクール、プラクシスは、「学位は死んだ。必要なのは経験だ」とウェブサイト上に掲げる。同校では学生向けにデジタル技術だけでなく、コミュニケーションなどソフト面のスキルも教えている。半年間の授業を受けた後、学生らは主にテクノロジー系のスタートアップで見習いとして働く場を提供される。プログラムの料金は1万1000ドルで、この見習い期間に得られる収入で賄えるように設定されている。

(中略)

大卒より意欲的で適応力高い

 創業2年になるプロジェクトマネジメント専門ソフトウエア会社クリックアップ(サンフランシスコ、従業員50人)は5人のプラクシス卒業生を受け入れたことがある。同社のクリス・カニンガム氏は同校の卒業生が皆、生産的で優れた見習いだったと述べた。

 プラクシス出身者はハングリー精神が旺盛で適応力も高いため、大学の卒業生よりも気に入ることが多いとカニンガム氏は指摘。「大学を卒業した子のほとんどは企業への期待値がかなり高い。だが、彼らが学んだことは少し遅れていて、現実社会で起きていることとは違う内容を教えられている」といい、「特にマーケティングに関しては、10年前のキャンペーンを参考にしている」と話す。

 ミッションUを創立したアダム・ブラウン氏は、学生はほとんどの授業をオンラインで受け、正式に顔を合わせるのは週に1回だと述べる。学生の半数は通常の大学生と同じ年齢層で、残りの半分は年上だ。ミッションUでは入学前に何も支払う必要がない。卒業後に少なくとも年収5万ドルの職に就いた際には、3年にわたって収入の15%を支払うことになっている。

 ミッションUで学ぶ前出のキャリーさんは大学進学適性試験(SAT)で全国上位5%に入り、卒業した高校でも上位10%以内の成績を収めていたという。出願の際に提出したエッセーでは、従来の大学に4年間通うコストと1年でミッションUから取得できる学位を比較し、費用便益分析を作成。その結果、ミッションUに通えば25万ドルも利益が多いとの結論に達した。キャリーさんの姉は米中西部にある私立大学で人類学と政治学の両方を専攻し、最近卒業したばかりだが、約3万5000ドルのローンを抱えているという。

※※※引用、以上※※※

 

 

 

野崎章