10歳のハローワーク~ドイツの職能システムより~

日本では小学校から始まる学校制度の無意味さがやっと着目を浴びてきましたが、ヨーロッパのドイツでは昔から『デュアルシステム』という職・学一体のシステムを進めています。

日本でも、大学は無能⇒工業高校・農業高校さらに中卒へと企業の目が向いています。

以下 リンク より

>ドイツ発祥の職能システムといえば「マイスター制度」がよく知られている。


ドイツの製造業は、マイスターに支えられている。(AFLO=写真)
マイスターとは職人の最高位の称号(日本語で言う親方、達人、師匠など)で、ドイツではさまざまな職業にマイスター資格が存在する。手工業に関するものだけでも41の職種にマイスター資格制度があって、国家試験に合格してマイスターの資格を得なければ、独立して開業することはできないし、徒弟(職業訓練生)を指導する教育者にもなれない。たとえば、ベーカリーのマイスター資格がなければ、パン屋を開けないのだ。こうしたマイスター制度と連動したドイツ独自の職業教育が「デュアルシステム」である。

ドイツの学校教育制度は日本とは大分事情が異なる。連邦制を採用しているドイツでは、州により学校制度が異なるが、ここでは一般的なドイツの“学校制度”を紹介しよう。

小学校は「基礎学校」と呼ばれ、4年制である。この基礎学校の終了時点、日本で言えば小学4年生、10歳で将来の職業に向けた人生最初のキャリア選択が行われる。

基礎学校終了後、大学などの高等教育機関への進学を目指す場合は、「ギムナジウム」という8年制の教育課程に進学する。実はドイツにしても、前年に研修旅行で訪ねたスイスにしても、日本のように“猫も杓子も”高校の普通科から大学に進学するわけではない。

>基礎学校終了後、ギムナジウムに進学するのは同年代の30%程度。大半は手に職を付けるための職業教育課程に進学する。職業教育を施す学校には「基幹学校」(5年制 卒業後に就職して職業訓練を受ける者が主に進学する)、「実科学校」(6年制 卒業後に専門学校に進んだり、中級事務職や中級エンジニアなどの中級職に就く者が主に進む)などが存在する。

基幹学校や実科学校を終了するのが15歳ぐらい。ドイツにおいては、18歳未満の若者は職業学校への通学義務が課せられていて、ギムナジウムに通う生徒以外は、職業訓練学校に通わなければならないが、そこで採用されている職業教育が「デュアルシステム」だ。

デュアル(二元的)とは「理論と実践」のこと。職業学校に通いながら理論的なことを学ぶ一方で、民間企業などの現場で実際に仕事をしながら実践的に学ぶ。理論教育と実践教育、両面から職業人としてのキャリアを積ませるシステムが「デュアルシステム」なのだ。

デュアルシステムを希望する若者は、1週間のうち3日は職場で職業訓練生として働き、2日は職業学校に通って勉強する。彼らは職業学校の生徒でありながら、訓練生として企業で働き、熟練労働者の3分の1程度の給料がもらえる。

職業訓練生を受け入れる企業としても、安いコストで若い労働力が使えるメリットがある。支払う給料の7割は訓練先の企業持ちで、州や連邦政府の支援もある。また、受け入れた訓練生の能力や適性、人間性などを見極めて、職業訓練終了後に正社員として雇い入れることもできる。実際、デュアルシステムで実地訓練した若者の約6割は訓練先の企業に就職するという。

>日本の場合、若い世代の多くは自分が何になるかという明確な目標がないまま、大学に入って、22歳を過ぎてから社会に出る。そこから実社会で役立つスキルを身に付けなければならないために、職業人として格好がついてくるころには30歳を超えてしまう。

しかし、ドイツでは18歳ぐらいで「自分はこれで生きていく」という明確な職業観を持っている人が半分以上いる。しかもすでに将来勤める可能性の高い会社で丁稚奉公をしているわけだ。

10歳から始まる職業教育制度によって、ドイツ人は自分の職業を早くから見定めて、実地訓練をしながら気合を入れて勉強する。そうした人材が流れ込むように官民が一体となって職業教育システムを維持していることが、ドイツの産業が中小企業に至るまで強さを維持できている理由なのだ。

 

 

望月宏洋