学校や塾の先生が提唱する学習方法、科学的にはまったく意味がないことが判明

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どうやったら効率的に覚えられるのか?最も適した学習方法は何なのか?学生時代、その探求に明け暮れた人もいるかもしれない。

 学校や塾の先生は、視覚的に目で憶えた方がいい、あるいは参考書や教科書を声を出して読んだり、ノートをとって憶えた方がいいなどと、その学習方法について様々なアドバイスをしてきた。

 アメリカの調査によれば、教師の96%は効果的な学習方法の存在を信じているそうだ。特に視覚学習の効果を信じている教師が多いという。

 だが、その理論がナンセンスであることが判明している。

 この分野の専門家によれば、異なる学習方法によって成績に影響が出るという科学的証拠は乏しいそうだ。

画期的な学習方法などない

 実際、これまでも学習方法に関する様々な論文が発表されてきた。

 そして今回、『Anatomical Sciences』に掲載された米インディアナ大学医学部の研究者による最新論文は、この説に「止めを刺す」と述べている。

 著者らは研究に参加してもらう大学生数百人を募り、「VARK」という一般的なオンライン学習スタイル調査を受けてもらった。

 これは、その人が目で見て憶えるのか、聞いて憶えるのか、読書や書くことで憶えるのか、あるいは何かをやることで憶えるのかを評価するためのものだ。それから学生には解剖学の授業を履修してもらった。
 
 次いで学生に自分の学習方法(主要学習スタイル)に一致しているやり方で勉強してもらい、研究者はそれが後々まで維持されているか追跡調査した。さらに年度の終わりに、学生の成績に影響があったのかどうかも確認された。

 その結果、主要学習スタイルと成績とに相関関係は認められなかった。事実、学生の67パーセントが自分に最適であるはずの方法で勉強できていなかった。

 またそれぞれの主要学習スタイルに一致したやり方で勉強していた学生であっても、特に成績が優れているということはなかった。

 全体としては、各自の学習スタイルにかかわらず、講義ノートを見るのが最も効果的だった。また単語帳はそこまで有効ではなかった。

学習方法は画一化できるものではない

 「視覚学習者だから憶えられません」という言い訳は葬り去るべきだというのが結論である。

 研究者は「教育者や学生が学習方法に関する従来の知恵を捨てるべきである、というさらなる証拠」が得られたと述べる。

 学習方法を単純化しすぎるのはおそらく問題だろう。自分の主要スタイルでないからという理由で、他の学習スタイルを試さないのなら、弱点を弁えるというよりは無視しているだけかもしれない。

 

 

 

大川剛史