21世紀を生きる子供の育て方~その①~

近年学校教育の改革がよく話に上がる。
文科省から新しい教育の提案。
つまり、教育方法の見直しは必要となってくる。

文科省から動き出すエデュケーション2030。
今から13年後の教育を構想するプロジェクトが進んでいる。
今必要な教育とは何か考える必要があるのではないか?


___________________________________________________________________エデュケーション2030
Future of Education and Skills:Education2030

OECD経済協力開発機構)が、各国の教育制度の質と公平性を改善する取り組みを通じて、教育に関する持続可能な開発目標を30年までに達成できるよう、検討が行われている。日本からは文部科学大臣補佐官の鈴木氏の他、高校の教員、大学や文部科学省自治体などの関係者が参加している。人工知能の進化により、未知の仕事に直面する新しい時代にふさわしいコンピテンシー、カリキ ュラムや授業のあり方、学習指導方法(アクティブラーニングなど)、学習評価のあり方など包括的な内容を扱う。ここでの議論は 現在進行中の教育改革にも順次反映されていく。



●大学入試制度と同時に高校の学習指導要領を変える


お母さんたちは「結局、大学入試は変わってないでしょ」と。高校の先生もそうですが、入試が変わらないと、知識詰め込みが一番という話になってしまう。 

鈴木:なので、今回は入試制度を変えます。このような時代認識で教育を変えることは、学校教育法に学力の3要素としてすでに書いてある。でも、世の中の人はそのことを知らない。

現行の学習指導要領にも言語活動は大事だと書いてある。マイケル・オズボーンを引くまでもなく、残る仕事はアーティスティックな哲学的なものと対人コミュニケーションであり、いずれにしても言語です。小学校の先生は学習指導要領を読んでくれます。

 ところが高校の多くはそれを無視する。言語活動の単元が充実している教科書もあるが、入試に出ないから高校の現場ではその章を飛ばしてしまうことも多い。

 学習指導要領を変えても、教科書を変えても、それに沿って教える心ある先生は常にマイノリティです。これをマジョリティに変えないといけない。そのためには大学入試を変えないとダメだとなるわけです。


学力の3要素
 「生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない」(学校教育法第30条2項より抜粋)



マイケル・オズボーン
Michael A. Osborne
 1981年オーストラリア生まれ。2012年よりオックスフォード大学エンジニアリングサイエンス学部准教授。工学博士。専門分野は機械学習(Machine Learning)。13年に同じ大学の経済学者カール・フレイ博士と著した論文「未来の雇用The Future of Employment:How Susceptible are Jobs to computerization?」で、人工知能(AI)によるコンピュータ化の進展が労働市場に与える影響を推計、10年後には米国労働省が定めた702の職業の半分近くが消滅の危機にさらされるとしてセンセーションを巻き起こした。

 労働政策研究・研修機構による日本の601の職業についても野村総合研究所と同様の推計を行い、人工知能やロボットなどによる代替可能性の高い/低い職業をそれぞれ2015年末に発表、日本の労働人口の半分は代替可能としている。

今後、労働市場で生き残るためには、クリエイティビティ(新しいアイデアやものを作り上げる能力)と社会スキル(コミュニケーション能力)が必要としており、教育改革議論にも大きな影響を与えている。

―その大学入試がどう変わるかにみなさん大きな興味がある。

鈴木:やはり「入試」の影響力は凄い。予備校のトップや高校の先生にも理解し、納得していただきましたが、地方公立高校の先生方とはまだやりあっています。


―東京や埼玉の公立高校の校長も、「入試制度は変わらないから」「アクティブラーニングなんて」と言っていた4年前と比べるとだいぶ変わりました。

鈴木:今年の私立中学校の入試問題がかなり勝負の大勢を決めた。大手塾も観念して対応を始めました。関ヶ原の戦いは終わったかなと思っています。

 今は逆に、地方公立高校を心配しています。時代が変わる夜明け前のような状態で、まだ大丈夫と思ってちょんまげを結ったままの人といち早く散切り頭に変わった人の間で、これから格差が大きくなる。

―インターネットがあって情報が行きわたっているような状況でも、地方の先生方は不思議なことに「情報がない」と言う。

鈴木:自ら情報を取りに行かないからです。地方から海外で行われる会議などに参加して情報を取りに行っているごく一部の人もいます。そういう人はどんどん覚醒しています。

―地方に行って話をすると、「東京に負けたくない」「追いつきたい」「東京でやっていることをここでやりたい」と言われます。

鈴木:蜃気楼のようなもので、追いついたと思った時には東京はもう先に進んでいる。自分たちで考えて試行錯誤している人たちが繋がると、お互いに知恵を共有し、志や勇気を感じることができる。考えていない人はそのネットワークに入れてもらえない。

答えは「足元」にある! 
 情報を外に求めること自体が思考停止状態。「どこかにあるはずだ」というマニュアル思考の考え方を卒業することです。答えは 足元にある。子どもや親と向き合いながら、例えばコミュニティ・スクールなどで探す。一般普遍にあてはまる解はなく、個別の暫 定解しかない。それぞれの現場にカスタマイズして変えていくのです。


次回②

 

 

 

直永亮明