小中のエアコン設置 いまだ半数 暑くても設置率1割未満の自治体も 莫大な予算が課題②

続き

■全国的な猛暑のなかで
 最高気温が高い自治体であっても、エアコンがほとんど整備されていないことがある。しかも、全国的に設置率が高まるなかで、依然として整備が進まない状況も見えてきた。

 ただし、くれぐれも最高気温が47都道府県のなかで低いとしても、それが「夏は涼しい」を意味するわけではない。最高気温は相対的に小さい地域に住む人であっても、「この地域だって暑い」と言うことだろう。実際に地域を問わず、オフィスや商業施設に入ればエアコンがしっかり効いている。

 そもそも日本全体が、絶対的に暑いということに留意すべきである。したがって、基本的に学校にはエアコンの設置を前提とすべきと、私は考える。

■エアコン設置が進まない理由:多額の財政負担

 毎年暑い夏がやってくるにもかかわらず、いくつかの自治体でエアコン設置が進まない背景には、財政的な事情がある。

 言うまでもなくエアコンは1台設置するだけでも高額な負担が生じる。ましてや、学校の場合、たとえば3年1組の教室だけを特別扱いするというわけにはいかない。学校内の全教室に設置することが求められる。

 これは学校内だけにとどまらない。たとえば、同じ市内において、A小学校にはエアコンがあり、B小学校にはエアコンがないと、これは両校の保護者の間に不公平感を生み出す。

 そもそも教育行政上、公立学校の設置者は市町村である。したがって、公平性の観点から同一市内においてエアコンがある学校とない学校をつくるわけにはいかない。

■教育環境の公平性
 市町村としては、自治体内のすべての学校のすべての教室に、一斉にエアコンを導入することが求められる。そのために億単位の予算を計上することも多々ある。しかも設置と同時に、毎年多額の電気代負担も生じることになる。

 設置のための莫大な予算が短期間に必要とされ、しかも多額の電気代が長期的に必要とされる。この財政的負担が各市町村に与える影響は大きく、それがエアコン設置の障壁となっている。

 現在、国は「学校施設環境改善交付金」としてエアコンの設置には3分の1の額を補助している。そうは言っても、自治体の負担はかなり大きい。

 義務教育段階においては、自治体内だけでなく日本社会全体において基本的には同質の教育環境が公平に保障されるべきである。このことを考えれば、エアコン設置の都道府県格差は、国の問題でもある。国からのより積極的な支援が必要である。

 公教育という名のもと、ある地域では子どもも先生もオフィスと同様のエアコンの効いた空間に身を置き、別の地域では今日もまた汗だくになって授業時間を過ごしている。こんな状況を放置していてよいのだろうか。

 エアコンはもはや贅沢品ではなく、必需品である。子どもたちが適度な室温で授業が受けられる環境を、一刻も早く整える必要があり、これは地域住民さらには国民全体で考えていくべき課題である。

 

 

 

 

やおよろず