企業経営の行き着くところは人材⇒教育。企業が教育に乗り出す流れは加速する。

 企業経営の行き着くところは人材であり、人材が企業の勝敗を握る。これまで、この重要な部分をお上に任せてこれたのは、企業にかかる外圧が弱かったからだろう。企業にかかる生き残り圧力が年々高まる中、自ら教育に乗り出す企業は益々増えるだろう。

リンクより引用します。

※※※以下、引用※※※

日本電産永守会長が大学経営、「人がやらないことをやる」教育とは

国内外で積極的なM&Aを行い、自ら創業した日本電産を世界No.1の総合モーターメーカーに育て上げた永守重信会長。今年3月、京都学園大学を運営する学校法人京都学園(以下、京都学園大学)の理事長に就任し、今度は大学経営に乗り出した。日本を代表する経営者が、教育に懸ける熱い思いを余すところなく語った。(「週刊ダイヤモンド」編集部 前田 剛)

──どのような経緯で京都学園大学の理事長に就任されたのですか。

 自分で会社を起こし、長年経営に携わってきて感じるのは、会社というのは「人材」が鍵を握るということです。ただ、いい人材というのは世の中にごろごろいるわけではない。だから採用してからの教育が重要になる。つまり最後に行き着くのは「教育」なんです。

 今の日本の偏差値に偏重した教育は、根本的に間違っている。若者を駄目にしている。でもそれをいくら文部科学省に言ったところで何も変わらない。だったら自分で大学をつくって、こうやったら素晴らしい人材が育つということを証明してみせようと思ったわけです。真剣に考え始めたのは還暦を迎えたころでしょうか。

(中略)

──現在の偏差値に偏重した教育の問題点は何ですか。

 日本電産グループではこれまで、6600人の大学・大学院卒の学生を採用しており、膨大な人事データを持っています。そこから分かったのは、入社後の仕事の実績や評価と出身大学(偏差値)とは全く関係ないということ。一流大学の出身者がいい仕事をするとは限らないんです。でも世の中はそう思っていない。だから企業は一流大学出身者を採用しようとするし、親は子どもを塾に入れて一流大学に入れようとするわけです。

 私はそうした状況を根本から変えたい。だから、ここ(京都学園大)から改革を始めます。次は中学や高校をつくって一貫教育の体制を整え、さらに将来は社会人のためのMBAコースなどもつくって……。どんどん夢は広がりますね。150歳ぐらいまで生きないと時間が足りませんね(笑)。

──理事長に就任されて3カ月余りですが、どのような課題がありますか。

 課題はたくさんあります。中でも一番深刻なのは、入学してきた学生が理想を見失っていること。伸び伸びと勉強している人が少ないですね。こんな状態で4年間過ごして社会人になっても、役に立つわけがない。

 私はもっと理想に燃えた人をつくりたい。人間は挫折を経験することで成長します。平昌(ピョンチャン)冬季五輪のスピードスケートで金メダルを取った当社の?木菜那がいい例です。いつも天才の妹(?木美帆)と比べられて悔しい思いをしてきた彼女は、当社に入って理想を取り戻し、見事金メダルを二つも取りました。

 本学に入った学生が理想を取り戻せるような環境をつくるのが私の仕事です。

──具体的にどのような改革を考えていますか。

 まず「入り口」を増やします。今年は前年に比べ志望者が60%も増えましたが、来年はもっと志望者を増やしたい。分母が増えれば、入学してくる学生の質もおのずと上がります。一方で、私の理想に共鳴してくれる意欲的な先生を招いて、大学全体のベクトルを合わせたい。

 さらに、「出口」(就職)についても、一流企業に入れるようサポートできればと考えています。当社について言えば、昨年は本学から3人採用しました。今年も5人が決まっています(6月末時点)。いずれモータ専門の工学部ができれば、100人単位で採用することになるでしょう。

 20年に新設する工学部は、モータ専門の学部にします。電気自動車(EV)やドローンなどの普及でモータのニーズが高まる一方、モータ学部はどんどんなくなり技術者が不足しているからです。工学部は学部長をはじめ先生の招聘やカリキュラムの作成など一から始めることになる。ここで、私が思い描いてきた大学づくりの構想を実現したいと思っています。

 200人の定員で、いずれ半数は留学生にしたい。先生として当社の社員を派遣し、インターン制度も充実させる。短期ではなく半年とか1年の長期にして、インターンによって単位も取れるようにします。

 英語教育にも力を入れます。実践的な英会話能力を身に付けてもらい、TOEIC650点を卒業の要件にする。当社は世界43カ国で事業を展開しており、英会話能力を磨く機会はいくらでもあります。まさに、産学協同そのものです。こんな大学はどこにもないでしょう。

 改革には10~20年くらいかかるかもしれませんが、理想を持ってやり遂げる。まずは大学名が変わる19年、工学部の新設を構想する20年が勝負の年になるでしょう。

※※※引用、以上※※※

 

 

 

 

野崎章