教育の場も『現実の圧力の中に生きる素人たちの力』による変革が必要

教育のあり方を変える必要があるのは周知の事実。
とは言え、現実を知らない官僚と、飼いならされた教師だけでは、「人間力」の向上といってもスローガンに終わるだけ。(宗教と同じ)
教育の現場も『現実の圧力の中に生きる素人たちの力』による変革が必要なのだろう。
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"答えのない教育"が必要な2つの理由
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◆従来型教育では新興国に勝てない
「大量生産型」教育の特徴は、どこか別の国、他の誰かが既に出している「答え」をいかに早く覚え、再現するかに重きを置いているということです。コストを下げ、スピードを速くするための創意工夫をして、誰よりも早く、いい製品を作って安く売るというビジネスモデルは、この教育から生まれました。
「答えが分かっている」人材をたくさん育てるために、全国どこへ行っても同じような教育が受けられる「学習指導要領」というものを作りました。このやり方がうまくいったので、「拍手喝采!アンコール!」と言って同じ曲を何度も繰り返すところが、当時の文部省の浅はかさです。
21世紀に入って世の中は変わりました。従来型の教育では、国の競争力を高める人材を育てることができなくなっています。
世の中がどう変わったか。二つの点で大きな変化が起こっています。

一つは、「大量生産型」の教育に取り組む巨大新興国が増えてきたことです。
たとえば中国の人口は日本の10倍以上。大学生だけで、年間およそ700万人の人材を育成しています。同じく日本の10倍の人口を擁するインドも、非常に優秀なプログラマーを多数輩出しています。このタイプの人材育成において、日本は数の上で、到底巨大新興国にかなわない。もしかしたら、質でもかなわないかもしれません。
従来の日本の得意技を続けても先がない。こういう時代になっているにも拘わらず、最初のやり方がうまくいき過ぎたために、なかなか方向性を変えることができない。そうこうしているうちに新興国に抜かれてしまうという「イノベーターズ・ジレンマ 」のような状況に陥っています。

◆21世紀の先進国にあった教育は?
二つ目の変化は、「先生の無力化」です。学習指導要領に基づいて、全国一律に同じ教育を提供するというシステムの下、先生は学習指導要領の伝達者、エージェントになってしまった。これはもう、牧師さんと同じです。2000年前に書かれた聖書を開いて、「マタイ伝4章の3節を読ませていただきます」と講釈する。日本の先生の仕事も、本質的にはこれと変わりません。
21世紀の先進国に求められるのは、牧師で言えば、自分が宗教をつくるとしたらどのような教義にするかというところまで考えられる人材です。新たな付加価値を創り出す人材を何人抱えているかによって、国家の力が決まる時代になっているのです。そして、クリエイティブな人材は、「大量生産型」の教育では生み出すことができません。
たとえば今、自分がイエス・キリストに生まれ変わったら何を言うか。モハメッドになって再びこの世に降臨してきたとして、1500年前に自身が説いた教えをどう変えるか。豚肉を食べてはいけないと言ったけれど、冷蔵庫のある世界ならまあいいでしょう、などというように。こういうことを考えるのが、実は21世紀の教育なのです。みんなが自分なりの答えを出していくけれども、唯一の正解はない

◆答えのない時代の教育
ここ15年ほどの間に、爆発的な教育の力で優れた人材をたくさん輩出している国を見ると、いずれもこの「答えのない教育」を導入しています。
連載で詳説しますが、北欧諸国が顕著な成功例です。21世紀は答えのない時代です。既存の答えを効率的よく覚えることのできる人間は何億人もいます。これから先、問われるのは「あなた個人がどこまでやれるか」ということなのです。
会社というのは、答えのない世界ですよね。最初から答えがあるのなら、会社などいらない。欧米に追いつけ追い越せ、あるいはゼネラル・エレクトリック(GE )の真似をすれば何とかなる、という時代は終わりました。
これから先進国に追いつこうとする途上国ならともかく、自分の頭で考えることが求められる先進国の現実に、日本の教育制度はまったく合っていない。現実の世界、企業の置かれている状況がどんどん変化しているにも関わらず、日本の教育は旧態依然として一向に変わりません。これはきわめて深刻な問題です。

では、どうすればいいのか。文部科学省主導で教育制度を変えるというのでは、大幅な改革は無理でしょう。文科省が考える教育と21世紀の現実に合った教育では、そもそもの土台、基本的な考え方や目的があまりにも違いすぎます。
ですからこの問題は、「自分の頭で考える」ことの重要性に気がついた皆さんが、家庭や企業、あるいは自治体で、それぞれ先取りして実践していく必要があるのです。
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匿名希望