学校教育が日本の第一次産業を滅亡させる

学校教育は社会と隔離されているという話はよく言われることだが、学校の授業内で実社会(就職、職業)に対する話題が全くなされていないわけではない。

義務教育期間は日本では9年間。その最後となる中学三年生になると、実社会に対する授業が、一応、といった量ではあるが行われている。

その内容は、「面接のやり方」「履歴書の書き方」である。私は「今日、この内容の授業をやります」と初めて言われたときには恐怖すら覚えたのだが、なぜだかわかる人はいるだろうか。

学校では、農業体験、漁業体験といった校外学習が行われることも最近は増えているが、それが「将来の職業の選択肢」として提示されることはまずない。対照的に、部活動で「社会に出て必要な礼儀」として先輩、顧問に敬語を使えと命じられ、「お上からの命令は絶対だ」と教え込まされる。対して農業体験や漁業体験、林業体験などは、修学旅行などで「特別授業」として扱われる。

この「特別」という言葉は、その授業を受ける子供たちからとってすれば、「非日常、非現実」という言葉と即結びつくのだ。そうすると、「農業、漁業、林業=非現実、非日常」という記憶が、頭の中に定着してしまう。だから、スーパーに行ってもレジ打ちの人は日常と感じるのに、野菜を作っている農家のことは全く頭に浮かばない。

だから、現代の学校は非第一次産業教育、といっても過言ではないほど、第一次産業を子供たちから隔離してしまっているのだ。

 

 

 

田中拓帆