校則一揆 自分達を守るルールは自分達で決める(2)

校則一揆 自分達を守るルールは自分達で決める(2)
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そこで荻上さんは、二つの方法が有効だとする。「データ」と「民意」だ。

「なぜおかしいと感じるのか、どれくらいの人が不満を持っているのか、どのように変えたいのか。これらのデータを示し、合理的な理由を文書で回答するように求めるのです。行き過ぎた指導をする教師の言動については、複数の証言を取ります。証拠をきっちり押さえていくことが重要です」

「もう一つの方法は、生徒会選挙など民意を正当に反映できる場を利用することです。例えば、候補者全員が『校則改正派』として出馬する。すると校則を変えることは前提となり、どう変えるのかの競争になります」

保護者や先生も巻き込む

さらに、味方はできるだけ増やしたほうがいい、とも。

高額な学校指定品や手作り指定品、黒染めの美容院代など、校則は保護者にも経済的負担や時間的負担、手間をかけている。また、厳しく取り締まるために教師のマンパワーも割かれている。校則に疑問を感じているのは、生徒だけではないかもしれない。保護者や先生も巻き込めるかもしれないのだ。

「学校の中で変わらなければ、外に訴える。市議会や区議会などもいいです。いろいろな大人に声をかけ、誰がどのように反応したかも記録する。一連の行動そのものが社会科見学になりますよ」

「仕組みは従うものではなくて、変えられるものです。単に適応することは成長とは言いません。今あるシステムの問題点を改善するために自ら考えて行動し、前よりもよくなれば、それを成長と言うのです」
 
新刊『ブラック校則』(東洋館出版社)で荻上さんと共同編著者である名古屋大学大学院准教授の内田良さんも、こう話す。

「生徒会は最も真っ当なルートです。自分たちでルールを作ることができれば、生徒だって守りますよね。教師が作ったルールを守るだけだと、主体性も思考力も育ちません。どんなルールだったら合理的で自分たちの人権が尊重できるかを生徒自身が考える。教育のプロセスとしても大事なことだと思います」

「嫌なら学校やめれば」にはこう返す

最後に、理不尽なルールを押し付けられたときはこんなふうに言い返してみては、という想定問答のアイデアを、『ブラック校則』の内容と取材からまとめた。

Q: 校則が嫌なら学校をやめればいい。
A: 事前に十分な説明を受けていません。

2006年の国立教育政策研究所の調査によると、生徒指導の基準を生徒や保護者に「特に周知していない」という高校が63%。2009年の文部科学省の調査でも、懲戒の基準を周知していない高校が35%ありました。事前に十分な説明がないにもかかわらず、理不尽な校則を強要することは不適切です。

Q: 社会に出たら理不尽なことがあるのだから、学生のうちに慣れるべき。
A: それは理不尽さに過剰適応したあなたの考え方です。

「みんな苦しかったんだから」という呪いの押し売りは無意味などころか、理不尽さを維持し続けるという点で、社会にとってマイナスです。

Q: 自然な黒髪のほうが勉強に集中できて賢くなれる。
A: それは間違っています。だって、あなたの髪は真っ黒なのに、こんなに愚かな指導をするのですから。

プロジェクトの調査結果では、「日本人なら黒髪ストレート」というのは偏見で、そうではない人が約4割いることがわかっています。生まれながらの髪の色を否定してまで全体主義を押し通そうとするのは、生徒をブランド維持の道具としか見ない発想です。

夏休みが終わり、学校が始まる頃に、子どもの自殺が増えるというデータがあります。背景には友人関係や勉強の悩みがありますが、不登校の要因として「学校の決まり」と答えた子どもも一定数います。

集団生活のルールは必要ですが、中には、子どもの人権や健康を脅かすルールや指導も一部存在しています

 

 

 

 

風来坊