なぜ「いじめ」はなくならないのか?春名風花さんがたどり着いた結論(1)

共通の課題もなく同じ空間で同じ時間を過ごすのは、非常に不自然な集団であり、そこには必ずなにがしかの歪みが生じるという事ではないでしょうか。

リンクより引用します。
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扉を開けると快活な声が響いた。「よろしくお願いします!」。声の主は、透明感のある少女。17歳の“はるかぜちゃん”だ。

 “はるかぜちゃん”とは愛称で、本名は春名風花(はるなふうか)さん。子役として活動をしながら、9歳でツイッターをはじめ、率直な鋭い意見でネットを賑わせてきた。

 特に有名なのは、2010年「青少年健全育成条例」の改正案が可決された際のツイートだろうか。当時まだ10歳だった彼女の「ぼくたちはいいまんがも、悪いまんがも、ちゃんと自分でえらべます(ω)」「都条例ぷんすか(ω)」という意見に反響が集まった。

 その彼女も、もう17歳。現在は女優・声優として活躍している。

 春名さんは8月20日、『いじめているきみへ』(朝日新聞出版)という絵本を出版した。彼女の考える、「いじめ」とは? そして彼女を支えてくれていたものとは? ツイッターで見る印象そのままに、まっすぐな大きな瞳で、インタビューに応じてくれた。

 (取材・文:夏生さえり/写真:飯本貴子)

なぜ「いじめ」はなくならないのか?春名風花さんがたどり着いた結論
写真:現代ビジネス
誰でも「いじめ」の当事者になる
 絵本は、6年前の朝日新聞の特集「いじめと君」に掲載された「君、想像したことある?」というインタビュー記事が元になっている。この特集には多くの著名人が参加したが、春名さんの記事は特に大きな反響を呼んだ。

 絵本化のきっかけはツイッター。「あの記事が、絵本になっていたら欲しい」というツイートを、たまたま目にした。

 「いいアイディアだなと思って、すぐ朝日新聞さんに連絡しました。温度感のある絵を描くみきぐちさんをイラストレーターとして推薦して、素敵な絵本に仕上げていただきました」

 たくさん寄せられた声の中には、いじめられていた人だけでなく、いじめていた人からのコメントも多く届いたそうだ。

 「本当に色々なコメントがありました。中には、謝りたいと後悔している人もいました。読んでいると、完全な悪って本当になくて……。それに、すこし共感できてしまうところもあった。正直、気持ちがわかってしまうのが怖いなと思ったこともありました」

 言葉を詰まらせ、瞬きが遅くなる。彼女が丁寧に言葉を探しているのが伝わってくる。大きな瞳は机の中心を見つめ、揺れる。視線は過去をさまよい、目の前のわたしに再び向けられる。

 春名さんは以前、ツイッターで彼女をひどく批判してくる人に出会った。

 「でも、その人のツイートを見に行ったら、すごく凝ったお弁当を子どものために毎朝作っていることがわかったんです」

 ひどい言葉を投げかけてくる人でも、お弁当からは愛情を感じる。「本当に、絶対的な『悪人』っていない」。彼女は繰り返し言った。

 「今回、『いじめているきみへ』を出版すると、『いじめている人は買わないと思うよ』っていう声も多くもらいました。たしかにそうかもしれない。

 でも、人をいじめたくなる気持ちって、誰にでもあると思うんです。もしかしたら、これから人を傷つけたくなるかもしれない。学校でも、職場でも。

 そういう気持ちになったときに、お守りになるような本でありたいなと思いました。嫌いな人の、その向こうにいる大事な人のことも想像してほしいです」。

 

 

 

 

佐藤晴彦