大学で何が? 早稲田大の学部生、5年で約3千人減

yahooニュース リンク より、以下転載
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大学で何が? 早稲田大の学部生、5年で約3千人減

少子化が進むなか、多くの私立大学は学生確保に四苦八苦している。どのような対策や取り組みを始めたのか。

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 各大学が得意とする分野、課題としている分野などを知るために、有力私立大学25校の教員、教育、学生、施設、経営、研究についての最新データを表にまとめた。グローバル化において留学生の受け入れは早稲田がリードする。これは国際教養学部の存在が大きい。また、早稲田の学生寮の定員が多いのは留学生向けが加わったことによる。外国人教員比率が高い国際基督教大は、1953年の開学時から外国人教職員が大学を発展させたという伝統によるものだ。

 多くの大学で学生数は男女半々が理想的と考える。早慶は女子を増やしたい、上智、立教は男子を増やしたいというのが本音だ。昨今、法政、明治が女子を増やしており、これまでのミッション系=女子が多いという構図は崩れそうだ。研究分野では医学部をもつ慶應義塾大が強い。研究者養成の基準となる博士号学位では文系学部で大学院を充実させている早稲田、中央が健闘する。高校からの評価は、明治大が就職支援で信頼を得ている。入試を控える学生にとっても、大学の得意分野などを知ることは、大学選びのプラスαの判断材料になるはずだ。

 もちろん、この表からは読みとれないこともある。 早稲田大の学部学生は5年間で3千人近くも減っている。2014年度から18年度までの推移をみると、4万3268人→4万2778人→4万2181人→4万1333人→4万394人(人間科学部通信教育課程を除く)。

 いったい何が起こったのか。12年、早稲田大は長期計画目標として「Waseda Vision150」を掲げた。創立150年となる32年までに、大学院生、外国人留学生、外国人教員を増やすなど、いくつかの項目で数値目標を定めたものである。研究者養成、グローバル化などに力を入れるためだ。

 一方、学部学生数は減らす方針を打ち立てた。12年の約4万4千人を3万5千人にするという目標を掲げている。早稲田大は入学者数を毎年100~400人ほど減らし、5年間で約3千人減らすことに成功した。

 一方、15年、中長期の事業計画を発表した中央大は定員を増やしている。「Chuo Vision 2025」と銘打ち、創立140年を迎える25年までに教育改革を進めるという。その中心として位置付けられるのが、19年の国際経営学部(定員300人)、国際情報学部(同150人)の設置である。これによって大学全体の定員が300人増えることになる(商学部の定員を150人減で相殺)。

 首都圏では中央大のように学部、定員を増やしたい大学がいくつもある。しかし、厳しい規制が待っていた。

 文部科学省は東京23区内の私立大について、19年度の定員増と学部・学科の新設は原則として認められないという方針を出した。その理由について、今年9月に林芳正・前文科相は会見でこう説明している。

「23区に学生が集中すると、地方大の経営悪化による撤退などで地域間において高等教育の格差が悪化しかねません」

 中央大はすでに地の利を生かした戦略を立てた。多摩キャンパスは23区内に入らない。20年、ここに健康スポーツ科学部(仮称)の設置を予定している。

 早稲田大のスリム化、中央大の拡大路線──。この対照的な政策から、多くの大学が置かれている立場、そして、大学の「思想」が読み取れる。

 現在、日本の大学は788校ある(文科省統計。大学院大、放送大学などを含む)。しかし、少子化が進むなか、多くの大学は学生確保に四苦八苦しているのが現状だ。18年度、私立大学の定員割れは210校で、全体の36%にのぼっている。定員充足率50%未満の大学は11校あり、これらはいつ募集停止になっても不思議ではない(日本私立学校振興・共済事業団による統計)。

 一方、文科省は定員割れ大学はなんとか救済しようと、他大学との統合を持ちかけるがうまくいかない。大学間で思惑が一致しない。プライドもある。そんな様子に業を煮やしているのが財務省だ。定員割れの大学は補助金を削ってしまえと、脅しに近い強硬な姿勢を見せる。

 スリム化はいくつかの大学で見られるが、その多くは学生が集まらず、そうせざるを得ないという現状がある。早稲田大のように意図したスリム化はあまり見られない。
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山上勝義