学生の探求心を引き出し、本気の追求をする環境を整えるのが大学の本質的な役割(福井工業大学)

探求心を引き出すこと
本気の追求をすること
極め続ける力

全くもって異論はないが、大学からでは遅すぎないか?
中高では答えを覚えるだけの試験脳が染み付いてしまう。
幼児段階の"何?、何で?"をそのまま伸ばす探求教育こそ求められる。
そのために、小中高の試験のための勉強を直ちに改革していく必要がある。


“極め続ける力”を育むことで学生の多様な能力を引き出すリンク

1965年創設の福井工業大学。開学50周年の2015年には、従来の工学部に加えて環境情報学部、スポーツ健康科学部を新設し、3学部8学科の工科系総合大学となった。これからの時代の地方大学のあり方を追求する同学の教育方針や独自の取り組みについて、今年4月に学長に就任した掛下知行氏に聞いた。

キャリア教育を重視し就職率は99.6%

「社会に出るにあたって、グローバルスキルやコミュニケーション力、創造力は重要に違いありません。本学でもそうした力の養成に力を注いでいます。ただ、それらの力は何かを成し遂げるための手段。学生たちには、何より“自らのテーマを困難にめげずに極め続けていく力”を身に付けてほしいと私は考えています」

福井工業大学の掛下学長は、そう強調する。一つのことを本気で追求しようとすれば、海外にも目が向き、仲間と議論も戦わせることになる。「そして創造性についても、画期的な発見のほとんどは、100人中99人が思い付かなかった着想を極限まで突き詰めることで生まれてくる」と掛下学長。

「そう考えたとき、学生の探求心を引き出し、関心を持ったことを追求していける環境を整えるのが大学の本質的な役割。本学には実直な学生が多く、粘り強く物事に取り組む素地は持っています。そこで基礎から積み上げる専門教育はもちろん、多彩な海外留学プログラムや学生が主導する各種プロジェクトなど、彼らの力を引き出す多彩な機会を教職員が一体となって設計しています」

入学すると一人ひとりに担当教員が付き指導を行う丁寧なサポート体制も特徴で、キャリア教育にも力を入れている。結果、昨年度の就職率は99.6%に上り、全国実就職率ランキングで全国1位となった

プロジェクトから生まれた農業や防災の先進モデルなどは、全国にも展開していけるはずだ。一方で福井工業大学は地元企業との産学連携にも力を入れている。

「地方創生や人口減少が課題になる今、企業と大学の関係も変わっていくべき。研究に限らず教育でもタッグを組み、より深く関わることで、協働の質もさらに上がるはずです」

学生にこまやかに気を配りながら、機動力をもって新手法を取り入れていけるのは、地方の大学の強みと掛下学長は言う。

「繰り返しになりますが、学生には自分の追求すべきことをしっかりつかみ取ってほしい。そうした学生を育てるためにも、今後も『すべてを学生のために』を理念に、新しい取り組みに挑戦し続けたいですね」

 

 

 

宮田一郎