驚きと感動の種まきで、子どもの興味を開発する

リンクより引用します。

※※※以下、引用※※※

『強烈なオヤジが高校も塾も通わせずに3人の息子を京都大学に放り込んだ話』(徳間書店)をご存じだろうか? 家庭教育に心血を注いだ、ある強烈なオヤジのストーリーだが、今回インタビューしたお相手は、その3兄弟の長男、宝槻泰伸氏。彼が経営する探究学舎(東京都三鷹市)では、子どもの知的好奇心に火をつけることで、「もっと勉強したい」という子どもたちが続出だとか。前回に引き続き、「うちの子、勉強嫌いで、やる気がなくて困る」と嘆く多くの親御さんに代わって、なんでそんなことが起きるのかを取材した内容をお伝えする。

興味開発で、未来の「さかなクン」を育てる

――教育改革のキーワードとしても「探究」が注目されています。宝槻さんが考える「探究」とは?

宝槻 「能力開発」と「興味開発」という言葉があります。ほとんどの学校教育で行われているのは、「能力開発」です。しかも、そこで行われる勉強は、自分がやりたいことや、やりきった先にどんな未来が花開くかとは無関係に、「社会一般で必要な諸能力が開発されるから」、あるいは「受け取っておかないと大変なことになるからやっておけ」と言われて、押し付けられるものです。つまり、世間体という物差しで測られる、より良いポジションにつくために必要な、勉強という名の「適合」の訓練です。

 また、社会で生きていくために必要な能力の中心点も時代によってずれるので、子どもに身につけさせたい能力も、読み書きそろばん、情報処理能力、情報編集能力、英語4技能、課題発見・問題解決能力とその時々で変わっていきます。

(中略)

 受験勉強も就職活動も給与体系も、すべてが近代に確立された一貫した人生カリキュラムのようなものですが、近い未来にそれらがすべてなくなると思います。ライスワーク(飯を食うために働く)からライフワーク(自分らしさを発揮する仕事)へのシフトです。しかし、40~50代の親の価値観はまだシフトしていないと感じます。組織人であればあるほどそうですね。しかも、その年代が今の社会の中枢を占めていますから、なかなか教育も変わらないのです。これまでの偏差値によるシステムは完成されていて安心できるので、そこにしがみつきたいのでしょう。

(中略)

ライスワークからライフワークへ社会がシフトしたときに必要な力とは?

――おっしゃる通りですね。でも今は過渡期。そのなかで、どうしたら「さかなクン」になれるでしょう?

宝槻 その道筋はまだブラックボックスです。どうしたら英会話ができるようになるのか。どうしたら東大に入れるかという道筋はわかっています。世の中はライスワークの準備で溢れています。

(中略)

 ひとつ言えるのは、30代後半以下の親の価値観が変わってきたことです。ちょうど小学生の親の世代です。僕が腹落ちしている価値観とシンクロしてきました。「勉強より、自分の好きなことをしてほしい」という親が多くなってきたと感じています。そういうことを自信を持って言い切る親は、少なくとも7年前に塾を始めた時にはいなかったですから。親の「好きなことをしてほしい」の中身が何をイメージしているかはわかりませんが、子どもにとっては、医療も、スポーツも芸術文化活動も昆虫も料理も、すべての分野がフラットに広がっていて、社会的ポジションなど関係ありません。そのなかから自分が熱くなれるものを見つけ出し、深く追求していきながら、必要なスキルを磨き、社会と接続して価値に変えていく。これからは、そういう工夫が必要でしょう。

(中略)

驚きと感動の種まきで、子どもの興味を開発する

――なるほど。自分の好きなことを極めていく先に未来があるとしたら、好奇心が大切ですね。しかし、自分が何を好きか、何がしたいかわからないという子どもは多いのでは?

宝槻 めちゃそう思います。自分が大学生の時から、「したいことがない」と言う人は多かったですから。でもその歳から好きなことを見つけていくことは、ものすごいパワーがいります。だから、子どものときの働きかけが大事なんです。

 僕の考えとしては、幼いときから感動の種まきをして、10歳から13歳くらいまでに土台をつくり、18歳くらいまではマイ探究の時期。自分の好きなことに没頭する時間に6割くらいを割き、残りの4割は種まきを続けるというものです。探究を繰り返すうちに自分の中に柱はできて、そこから何かにつながっていくはずです。教育者は、そのログをとっていくことで、個人の資質を見極め、個性を発見・創造するカルテをつくることができるかもしれません。

(後略)

※※※引用、以上※※※

 

 

 

野崎章