九九の暗唱がイヤで小学校中退 漢字や掛け算は仕事で覚えた あるコンビニ経営者の生きる力

明王と言われたエジソンや、経営の神様とまで言われた松下幸之助の例を出すまでなく、小学校中退で世に残る仕事をした人は少なくない。

それは時代が違うからとか、その人に才能があったからと例外扱いする人は、まだまだ学歴主義に染脳されていると言っても過言でない。

学校はむしろ人々の生きる力、活力を阻害しているのではないか。

正月早々、ネットでは、小学校中退から社長になった男が選んだ「極端な働き方」
として、コンビニチェーンを経営する服部玲央さんが紹介されている。聞き手はライターの中村英里さん。

【服部玲央(はっとり・れお)】1978年5月2日、兵庫県生まれ。15歳のときにスーパーマーケットでアルバイトを始める。19歳から「ファミリーマート戸塚鳥が丘店」で働き始め、20歳で店長、23歳でオーナーとなる。2008年に株式会社LEOXを設立。

以下、リンクから引用抜粋。リンク

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中村:小学校を中退されたとのことですが、どのくらい通っていたんですか?

服部さん:小学校1年生と2年生で合わせて6日くらいですかね。いくつか授業を受けてみて、合わないなと思って学校に行かなくなりました。

中村:6日って…! かなり早いですね。合わないというのは、どんなところが?

服部さん:もともと父の仕事の都合でアメリカにいて、そちらの学校に通っていたんですが、アメリカのゲーム感覚で楽しみながら学ぶスタイルと、日本の学校があまりにも違っていて。

最初に受けた算数の授業で、九九をひたすら暗唱させられたときに、何だこれは!? とびっくりして、そこで拒否反応が出てしまったんです。

(中略)

中村:ご両親は「学校に行け」とは言わなかったんですか?

服部さん:もちろん、何度も言われましたよ。でもそのたびに「絶対に行きたくない」と言い合いになって、だんだん親に対しての反抗心も芽生えてきて、ますます荒れていきました。

(中略)

そこからで働きだしたんですが、一般常識もありませんし、まともに勉強していなかったので、漢字の読み書きもできないし、計算も指を使った足し算と引き算しかできなかったんです。

スーパーの仕事をするなかで、すべて学んでいきました。

中村:すごすぎる…どうやって勉強していったんですか?

服部さん:漢字は商品のPOPづくりで学んだのですが、絵として認識して意味を紐づけて覚えていました。たとえば「品」だったら、ダンボールが3つ積まれているイメージと結びつけて、品物の「品」だ、というように。

中村:象形文字のなりたちみたい。

服部さん:計算は、商品の在庫管理や発注で学んでいきました。九九暗唱で小学校をドロップアウトしたので、掛け算が特に苦手で。

先輩に「電卓を使ったらいい」と渡されて、そこで初めて電卓というものを知りました。こんな便利な文明の利器があるんだ!と驚きましたね。

(中略)

中村 :コンビニでもスーパーのときのように努力を続けたと。

服部さん :そうですね。むしろ、もっと好き勝手やっていました。

中村:好き勝手というのは、たとえば?

服部さん:宅急便を持ってきてくださる方が信号の向こうに見えたら走って預かりに行ったり、コピー機に免許証を忘れたお客様がいたら、横浜から群馬まで直接届けに行ったり。

あと、花粉症の時期に、店で一番高級な箱ティッシュを開けて「ご自由にどうぞ」と書いていろんなところに置いていたこともありますね。

中村:そんなコンビニ見たことないです。

服部さん:ちなみに箱ティッシュを置いたときは、花粉症の人たちは喜んでくださったうえに、高級ティッシュの売り上げが400%に伸びたんです。

中村:へえー! すごい!それって、ちょっと狙ってやったところもあったんでしょうか?

服部さん:いえ、まったく。お客様に喜んでほしいという気持ちだけでやったことでした。

人に認められない人生を送っていたので、「認められたい、誰かに必要とされたい」という気持ちが人一倍強かったんでしょうね。

中村:なるほど。

服部さん:「働く対価」として「お金」がありますが、自分にとっては誰かが喜んでくれたり、ありがとうと言ってくれたりすることが、ものすごく大きな対価だったんです。

損得勘定なしにサービスにこだわったことで、結果として店の売り上げも伸びましたが、目先の利益を考えていたらこの結果にはつながらなかったでしょうね。

以上 、引用抜粋終わり ーーーーーーー

まさに、学校って必要なの?の生き証人のような人である。

学校の勉強に拒否反応を示し、誰かに認められたい、必要とされたい、目先の利益でなく無償贈与に充足感をおぼえる。これが彼の生きる力になった。

明治以降、軍隊をモデルに作られた学校制度は、富国強兵、殖産興業を目指して多くの規格人間を世に送り出したが、豊かさを実現した今や、人々の生きる力や活力を削ぐシステムになってしまった。

学校に行かなかったり、中退することは、まだまだ異端視されることが多いが、時代はすでに大きく転換している。

「書を捨てよ、町に出よう」だ。

 

 

 

林英夫