本当は学校に行きたくない~隠れ不登校の実態~2

[読売オンライン]のサイトより、『本当は学校に行きたくない…“隠れ不登校”の実態(リンク)』から転載します。
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不登校傾向は1割超
 集まったデータを基に、子どもの学校生活の特徴を〈1〉-1文科省定義の不登校〈1〉-2文科省定義外の不登校〈2〉教室外登校〈3〉部分登校〈4〉仮面登校(授業不参加型)〈5〉仮面登校(授業参加型)〈6〉登校の六つに分類した。

 文科省不登校として把握している〈1〉-1を除く、〈1〉-2から〈5〉までを「不登校傾向にある子ども」とし、文科省の18年度学校基本調査(速報)の中学生の総数から、「不登校傾向」にある人数を33万人と推計した。

 不登校不登校傾向にある子どもは、全体の13.3%を占めている。

 そのうち、「不登校傾向」が学校内の行動に表れている子どもたち(分類〈2〉~〈4〉)は4.0%(推計13万703人)。〈2〉は保健室や図書室で過ごす子ども、〈3〉は遅刻・早退が多い子ども、または教室にいられなくなって1日のうちに何度か保健室に避難する子ども、給食だけを食べに学校に通うような子どもだ。

〈4〉は教室で授業を受けていても皆とは違うことをしているなどの特徴がある。他に学びたいことがあるために、授業に興味を持てずに参加していない場合などが含まれる。時に何かに気を取られたり上の空だったりということは誰にでも起こり得るが、一定程度以上続く場合は明確な意思によるものと考え、不登校傾向にあると判断した。

〈5〉の子どもたちは基本的に教室で過ごし、他の子と同じことをしているが、心の中では「毎日学校に通いたくない」などと感じている。「学校に行きたくない」と感じた経験は誰にでもあるだろう。調査では単発的に感じている場合は、不登校傾向と判断していない。原因が取り除かれれば行きたくないという気持ちがなくなる可能性が高いからだ。

 たとえば「寒いのが嫌」という子は、暖かい日は行こうという気持ちになるだろう。「特定の友達と会うのが嫌」な子どもは、けんかをした友達と仲直りしたり、性格が合わない友達と教室内の席が離れたりしたら「通いたくない」という気持ちもなくなるだろう。「家でテレビを見ていたい」という子は、テレビに飽きるかもしれないし、学校で運動会や音楽コンクールなどの行事が行われる日は行きたいと思うかもしれない。

 しかし、「毎日」連続で感じている子どもについては、原因が複雑で、時間が経過しても状況が変化しない場合や、本人の努力や気の持ちようなどで原因を取り除けない場合が考えられる。また、心理的に学校に居場所がないということも考えられる。これらのことから「毎日」行きたくない場合は不登校傾向とした。

 こうした子どもたちは〈2〉~〈4〉とほぼ同規模の4.4%(推計14万2161人)だった。

◆「居心地が悪い」「行く意味わからない」
 不登校傾向にある中学生たちに、学校に行きたくない理由(複数回答)を尋ねた。その結果、「疲れる」(44.9%)「朝、起きられない」(33.6%)といった理由に続いて、「授業がよくわからない、ついていけない」(30.0%)「小学校の時と比べて、良い成績が取れない」(27.7%)「テストを受けたくない」(26.8%)など学業に関する理由が上位に並んだ。

 さらに分析を進めた結果、学業に関する理由に加えて、いくつかの特徴が見えてきた。

〈2〉の教室以外で過ごす子どもは、「自分についたキャラやイメージが嫌だ」「学校の騒がしさや大きな音が嫌、気分が悪い」といった理由が他の不登校傾向の子どもより目立って多い。教室内で他の友達と共に過ごすことに苦痛を感じている姿がうかがえる。

〈3〉の部分登校では、学校に行きたくない理由として「先生とうまくいかない/頼れない」「学校に行く意味がわからない」を選択する子どもが多く見られた。担任教員との関係構築が難しい場合に、教室にいづらくなる傾向にあることがわかる。

〈4〉の授業不参加型の子どもは、「授業が簡単で面白くない、つまらない」という理由が他に比べて突出していた。「学校では自分が興味のあることや好きなことをやることができない/学校以外でやりたいことがある」という理由も複数が選択しており、授業などの学校生活に意義を見いだせず、苦痛に感じている実態を裏付ける結果となっている。さらに、これらの特徴に加えて、本人の周囲の状況について聞いた設問では、「周りの友達や大人に自分のことを理解してもらえない/もらえなかった」と回答した割合が40.7%と、問題なく登校している〈6〉の6.3%と比較しても非常に高かった。

〈5〉の行動には表さなくても毎日学校に通いたくないと感じている子どもは、「行く意味がわからない」「居心地が悪い」など、学校生活へのネガティブなイメージが強かった。一方で、自分の性格や気質を尋ねた設問では「みんなと仲良くできる」と前向きな感情を持っている子どもが多かった。

 学校観を聞いた設問では「学校は行かなければいけないところ」であると感じている子どもが不登校傾向の中で最も多くいた。〈5〉の子どもたちが、学校になじめず苦しむ気持ちの背景には、「行かなければならない」という意識と、学校生活全般にあまり興味が持てない意識がせめぎ合っていることが影響しているようだ。

 

 

 

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