子どもたちは学びながら「共感する力」を身につけた──「Make School」サマーアカデミーが残したもの

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米西海岸発のプログラミングスクール「Make School」のサマーアカデミー発表会が、このほどTechShop Tokyoで行われた。前回の記事では、共同創設者のジェレミー・ロスマンがMake Schoolを立ち上げた経緯について、「自分が受けたかった教育環境を提供したい」という思いから生まれたことを明かした。その思いは、東京で開催されたサマーアカデミーでは、どのようにしてかたちになったのか。

ロスマンが語ったように、このプログラミングスクールは「目的意識」を大切にしている。プログラミングによって創造する楽しさを実感しながら、それをかたちにする力を身につけること。それを自分の得意分野を組み合わせること。人々に本当に使ってもらえる、世のなかにインパクトを与えられるプロダクトをつくりだすこと。これらによって、生徒たちは自分なりに社会に貢献できるというわけだ。

「コミュニティづくり」が生み出したエネルギー

こうした特徴は、Make Schoolの「コミュニティづくり」を通して実践されている。東京でのサマースクールの参加者は、小学6年生から大学生まで幅広い。公立や私立の学校だけでなく、インターナショナルスクールに通っている生徒もいる。このスクールのためにシンガポールや中国から訪れて、東京にひと夏滞在している子どもたちもいた。

誰もが主体的に参加しており、自分の考えをしっかりもっている様子だった。プログラミング経験や英語力もまちまちだが、誰もが違うことに興味をもっている。何かに“突き抜けて”いて、学ぶ意欲がさえあればいい。そんな雰囲気に満ちていた。

生徒たちは自分の興味が何であれ、将来の夢にプログラミングはつきものであると考えている点は共通していた。苦手な英語を克服したい、将来の選択肢を広げたいといった目標をもっているものの、最終目標は「プログラマーになるため」ではない。生徒たちは、プログラミングと自分の得意分野、すなわち将来の夢が必ずどこかで交差することを知っていたのだ。

こうした思いを抱きながら、生徒たちはMake Schoolで学び、最終的にはスマートフォンのアプリを完成させる。発表会では来場者が“作品”のアプリを自由に見て回り、気になった2つのアプリに投票できるシステムになっている。このためか、「クランチタイム」と呼ばれるスクールの最終週には、生徒たちは寝食を忘れる勢いでアプリ開発に打ち込んだという。


「共感力」は世界へと広がる

生徒の全員が自分のアイデアをかたちにできたわけではない。最後の1週間でのアプリ開発は思ったよりも時間が足りなかったようで、現実的なアイデアへの軌道修正を余儀なくされた生徒も少なくなかった。それでも誰もが前向きに取り組み、「プログラミング言語の基礎が身についてよかった」という声が上がっていた。

自分のアイデアをかたちにできたという実績は、生徒たちの自信につながる。それに仲間たちと協働しながら「学ぶ」方法を身につけることもできた。自分が何をしたいのか、周囲の立場になって自分がどう必要とされているかを考えるきっかけにもなったという。こうして互いに「共感」を得ることは、Make Schoolが目指す「コミュニティづくり」そのものである。

ここで生徒たちが身につけたのは、「Be Inclusive, Empathize.」というMake Schoolが掲げるキーワードである。3週間という短い時間で知識や技術を詰め込むのではなく、周囲の人たちに対して「共感する力」を手に入れたわけだ。こうした共感が子どもたちに及ぼすエネルギーは、サンフランシスコから東京へ、そしてまた世界へと広がっていく。それがMake Schoolがもつ力なのだ。

 

 

 

匿名希望