東洋大学の「働ける大学」。一期生6名のうち3名が学科首席。

 東日本大震災を契機に設立された、東洋大学の「働ける大学」という仕組み。昼間は同大学の事務局等で働き、夜間は同大学で学ぶ。

 2014年にスタートしたこの制度を活用した一期生が、昨年の春に卒業式を迎えた。6名の学生のうち、3名が学科首席という成果を出した。

 働きながら学ぶ。社会と断絶した大学空間が閉塞する一方の中で、一つの可能性を示していると考える。

リンクより引用します。

※※※以下、引用※※※

(前略)

◆働ける大学

 経済的援助が必要な学生のために、大学が独自に「職場」を提供するケースもある。東洋大学は、昼間は同大学白山キャンパスの大学事務局などで働き、夜間は大学で学ぶことのできる、「独立自活」支援推薦入試制度を実施する。夜間学部の学費は年間53万5000円と国立大学並みに安い。

 さらに同制度は働いて得た給与を学費や生活費にあてられるのはもちろん、学費の半額を返済のいらない給付型奨学金として支給し、希望者には1日2食付きで月額6万円の寮を提供する。

 東洋大学理事で入試部長の加藤建二さんは、制度を作ったきっかけは、東日本大震災だったと振り返る。

「震災後に、仙台の高校で親御さんを亡くして大学進学を断念する学生がいることを知りました。さらに被災地以外でも、学力はあるのに経済的な事情で大学に行けない学生が多いことを知った。そこで働く場所、勉強する場所、住む場所を揃えれば、進学をあきらめた学生たちが大学に行く道が開けると思い、昼間は大学で働いて収入を得られ、夜は勉強してもらえるような制度を作りたいと考えたのです」(加藤さん・以下同)

 東洋大学の建学の精神は〈余資なく優暇なき者のために教育の機会を提供する〉。

 これに則り、2014年に新制度をスタートした。高校の評定が5点中、平均4.3以上で、働きながら大学に通うという高いハードルにもかかわらず、募集9名に対して毎年30名程度の応募がある。

 合格者の大多数は、家庭の事情で通常ならば大学に通えない学生で、東日本大震災津波で家が流された被災者もいた。

 学生たちは朝から夕方まで大学事務局で仕事をして、それから夜遅くまで大学で勉強し、また翌日の朝は働きに出るという繰り返しだ。その姿を間近で見てきた加藤さんは、「みんな、本当に懸命に頑張っている」と語る。

「大変な状況にあるはずなのに、感謝の気持ちを持っている学生が多い。経済面やその他のサポートのおかげで学生生活を送れることを心からありがたいと感じ、真剣に勉強する学生がほとんどです」

 昨年春、同制度で入学した初めての学生6名が卒業式を迎えた。3名は学科の首席だったという。彼らの晴れ姿を見て加藤さんは涙がこみ上げてきたという。

「私が中心となって作った制度ですし、4年間、部下としても働いてもらったわけですから、卒業証書を受け取る姿を見て、感動しました。世間では大学生は昼間遊んでいるイメージがあるかもしれませんが、そんなことはない。彼らは遊ぶ暇もないなか、いろいろなことを身につけようと必死でしたから」

※女性セブン2019年2月7日号

※※※引用、以上※※※

 

 

 

野崎章