アリババが研究拠点設立し、2万人を超える人材へ投資。投資規模は3年間で1兆6,000億円。

 経団連と大学の議論。なんともゆったりしているが、その間にも世界では、国境を越えた人材獲得競争が始まっている。

リンクより引用します。

※※※以下、引用※※※

産学協議「学生不在」の舌戦

 先月31日朝、東京・大手町の経団連会館。上座には東京大、京都大、明治大の学長ら。下座に経団連会長の中西宏明(72)、新日鉄住金社長の進藤孝生(69)ら。教育に一家言ある論客が居並んだ。「採用と大学教育の未来に関する産学協議会」(大学側座長=山口宏樹・埼玉大学学長)の初会合だった。

「就職活動の早期化は学習環境を破壊する」

「就活への基本的な考え方は今後の議論にかかわらず変わらない」

 大学トップらの「まるで放言大会」(関係者)のような注文に対し、経営者の意見は一般論が多く、原稿を棒読みする姿もみられた。「これでは文部科学省の審議会と同じ。もっと本質的な議論を」。国立大学トップの一人は苦言を呈した。

 結論の見えない空中戦の前段に、中西の挑発がある。昨年9月の定例記者会見。

「大学は自分の授業に自信がないのですか」

「産業・経済活動に有益な勉強をさせることが重要」

 大学批判を繰り返し、中西は議論を呼びかけた。「ミニ爆弾」(大学関係者)が波紋を呼んだ。

「勉強しない」責任は

 東大が過去に、日米の大学1年生の勉強時間を比較したデータがある。1週間の勉強時間が「0~5時間」と答えた学生は日本が67%に対し、米国はわずか16%。84%が「6時間以上」と答えた。

 日本の学生が勉強しないのは大学、財界どちらの責任か。長く「神学論争」の的となってきた。大学は、就職活動の早期化が学生の学業を妨げていると訴える。企業は、大学の授業が実用性からかけ離れ、魅力がなくなっていると批判する。それぞれの建前だ。

 本音はどうか。経団連は2015年、就活ルールを定める採用指針に「履修履歴や成績証明の一層の活用」を盛り込んだ。その3年後、経団連が会員企業を対象に行ったアンケート調査。回答597社のうち選考時に成績を重視したと答えた企業はわずか4・4%だった。協調性、主体性など全20項目で18番目にとどまる。これまで業務中の指導・教育(OJT)が人材育成の柱だった日本企業。大学に成績を期待してこなかった。

 急に声高に訴え始めたのは、国際競争の激化で必要な「技術革新を生み出せる人材」はOJTでは育てられないとの危機感だ。経済産業省の資料によると、OJTを除くと、日本企業が社員に行う人材投資は国内総生産(GDP)の0・2%。欧米の主要国に比べ5分の1以下の水準だ。

(中略)

人材獲得 世界と競う

 昨年1月、スイスで開かれた世界経済フォーラム年次総会「ダボス会議」。中国のネット通販大手「アリババ集団」の馬雲(ジャック・マー)会長(54)は就活経験を語った。

ファストフード店の仕事は応募者24人のうち自分だけが不採用になった」

 30社以上で同様の経験をしたという。マーを支えたのは独学で身につけた英語。翻訳会社を起業した。

 教育の重要さを痛感するマーは、アリババ創業20年となる今年9月、経営から引退し、若者への教育・慈善事業に力を入れる。

 アリババは17年秋、研究拠点「達摩院」を設立し、2万人を超える技術者や研究者らへの人材投資を進める方針を示した。投資額は3年間で1000億元(約1兆6000億円)。富士通時価総額に相当する。

 経済のグローバル化で、国境を越えた人材獲得競争はすでに始まっている。大学と企業が本音と建前を使い分け、学生不在の議論を戦わせる猶予はない。

※※※引用、以上※※※

 

 

 

野崎章