そろばんが「数字に強くなる」最適な手段のワケ

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■「そろばん」はすでに広がっていた
「そろばんは日本の文化。この文化を世界に広めたい」。そろばん教室を運営していた当時、私はそう思っていました。しかし、トルコで開催された「暗算オリンピック」に参加して、その考えが間違いだったと気づきます。そろばんは、日本や中国、韓国に限らず、世界に広がっていることを知ったからです。しかも、海外のそろばんは日本とは異なる方向へ独自に進化していました。

暗算オリンピックには、インドやイギリス、ドイツ、モンゴル、キューバスウェーデンギリシャ、トルコ、マレーシア、アメリカ、スペインなど、世界10カ国以上から参加者が集っていました。

競技種目は、モニターに映し出される数字を次々に加算していくフラッシュ暗算のほか、年月日から曜日を計算するカレンダー計算、52枚のトランプの並びを覚える記憶種目など、暗算5種目と記憶5種目の全10種目。

特に目立っていたのは合計33個のメダルを獲得したインドのチームでしたが、その子どもたちは、そろばんをはじくように指を細かく動かしながら暗算していました。

海外では1990年代から、そろばんを活用した暗算教室が急増しました。日本のそろばん人口が60万人であるのに対し、世界中では1000万人を超える生徒が珠算式暗算教室に通っているといわれています。

そろばんを通じてそろばん式暗算や日常生活への応用力をつけるために、テクノロジーの力を借りるのは効果的です。日本でも教育とテクノロジーを掛け合わせる「EdTech」が注目を浴び、学習アプリが次々と生み出されています。

アプリで一体どのような学習が可能になるのでしょうか。使用例を1つ紹介したいと思います。そろばんを使ってそろばん式暗算を習得するには、「頭の中で珠をイメージする」というプロセスが必要不可欠です。しかし、子どもたちが頭の中で珠をイメージしながら計算しているか確認する手段がありませんでした。

思うように暗算力が伸びず、イメージせずに暗算していることに後から気づくケースがあったのです。アプリはいわば、子どもたちの頭の中を画面上に再現する手段でした。

■計算プロセスを一つひとつ追える

簡単にいえば、アプリで子どもの計算プロセスを一つひとつ追えるようにしたのです。例えば、「1+8+6」という問題があったとき、そろばんの場合は「15」という答えが合っているかどうかで正誤を判断します。そのときに珠を正しく動かしたのか、動かさずに計算したのかは、ずっと見ていない限り先生はわかりません。

しかし、アプリであれば、「1」を入力した段階、「+8」をした段階、「+6」をした段階のそれぞれで正誤を判定できます。答えだけが合っていても、プロセスが合っていなければ不正解にできる。

しかも、それぞれの操作スピードが遅すぎる場合は、時間切れにすることもできます。つまり、先生がそばで見ていなくても正しいプロセスでできているかを確認しながら、早く正確に計算するトレーニングを積めるようになったのです。

このほかにも多角的に暗算力を使って知識を定着させ、応用力を育むのです。教室で一斉に勉強する場合でも、アプリであればそれぞれの子どもの学習進捗に合わせて、これらのトレーニングを進めることも可能です。

テクノロジーを用いることで、子どもが効率的にそろばん式暗算などさまざまな能力を身につけることが可能になりつつあります。それがさらには、右脳の開発を通してほかの分野の能力を伸ばしたり、世界の人々とコミュニケーションする能力を育むことにもつながっていくのです。

 

 

 

真鍋一郎