日本が沈む。教員の子すら教師になりたがらない、教育現場の惨状

日本の教育改革は、なぜ失敗するのか?

いろいろな理由がありますが、一番大きいのは教員の仕事があまりにも多忙で、超過重労働によってブラック化しているからです。2017年度に、精神疾患になって休職した教員は5,077人にも上ります。

給料も下がり続けています。

以前は、親が教員である場合、その子どもも教師になることが多かったです。でも、今それも減っています。教員である親を見ていれば、子どもも「これは大変だ。自分はやめておこう」となりますよ。以前は教師である親が、わが子に「先生はいいぞ。やりがいがあって給料も高い。お前も先生になれ」と言っていました。でも、今は「やめとけ」と言います。

では、どうしたらいいのでしょうか?

絶対に必要なのは、教育予算を増やして教員を増やすことです。1人の先生が最大40人まで受け持つ(40人学級)などという状態は、先進国で唯一、日本だけです。ヨーロッパもアメリカも、先進各国はどこもかしこも30人以下です。しかも、複数担任制が常識化しています。1人の教員ではなく2人以上の教員が受け持つのです。

同じ空間に複数の大人がいるので、教員による暴言や体罰も防げます。セクシャルハラスメントや性犯罪も防げます。それぞれの子どものニーズに合わせた対応も可能になります。子どもの学力に応じた指導も、心のケアも、よりきめ細かくできるようになります。いじめの発見率も高まります。学力にしても、いじめの問題にしても、1人の教員が見る人数を減らさないことには、どうしようもありません。

教員を増やすためには、教育関係予算を増やす必要があります。ところが、日本の教育予算がGDPに占める割合は、常にOECD加盟国の中で最低です。

学力低下、いじめ、先生の不祥事など、教育現場における問題が発生すると日本中が大騒ぎします。そして、「学校も先生も、もっとしっかりしろ」ということになります。「教員はもっと力量をあげろ」とか、「もっと児童・生徒とコミュニケーションを取るべき」とか、「関係部署がもっと連携しなければ」とか、いろいろ出てきます。でも、全てが精神論です。だから、一向に教育改革が進まないのです。

どんな企業でも、特定の部署の業績を伸ばしたいと思ったら、そこの予算を増やして人員も増やします。当たり前のことです。それをやらずに、精神論だけで「もっとがんばれ」と言っているだけでは、決してよい結果は出せません。教育も同じことです。

 

 

直永亮明