ダイソンが27億円投資した「授業料ナシ、給料もらえる大学」。本気で「エンジニアを育成する」

掃除機や扇風機で有名なメーカー「ダイソン」も、働きながら学位の取れる大学を設立したようです。

しかも、オックスフォードやケンブリッジの合格を蹴って入学する人もいたとか。若者の意識は、イギリスでも実社会で活きる力に向かっているようです。こういった学びの場がスタンダードになるのもそう遠くないと思われます。

しかも、日本人学生の受入れにも意欲的。学生の皆さんは、こういった企業運営の大学への進学を国外に求めていくのも良いのではないでしょうか?

以下、BUISINES INSIDER JAPAN:「ダイソンが27億円投資した「授業料ナシ、給料もらえる大学」。本気で「エンジニアを育成する」」リンク
より引用です。

■250万円の給料が出る大学
ロンドンから車で2時間ほど西に位置する人口5000人ほどの街、マルムズベリー。
そのマルムズベリーからさらに車で10分ほど走ると見えてくるのが、「ダイソン インスティチュート オブ エンジニアリング アンド テクノロジー」だ。

ダイソンが設立・運営するこの大学は、2017年設立。
イギリスの名門・ウォーリック大学と提携し、4年で学士号が取得できる大学だ。しかしその中身はいわゆるイギリスの普通の大学とは大きく異なる。

まず、授業料はすべてダイソン負担だ。代わりに、学生は週のうち3日は隣接するダイソンの研究・開発拠点で働き、2日を大学の授業などに充てる。

授業料の負担に加え、1年間で1万8000ポンド(約248万円、1年生の場合)の給料も学生に支払われるという。ダイソン氏は5年間で1500万ポンド(約27億円)をこの「ダイソン大学」に投資すると発表している。

■イギリスの大学状況は悪化している
「この2年間で、イギリスの大学をめぐる状況はますます悪くなってきている」

ダイソンの創業者であるジェームズ・ダイソン氏は、マルムズベリーで行われたBusiness Insider Japan の取材に対して、そんな想いを率直に吐露した。

1997年には無料だったイギリスの大学の学費は、年間平均9188ポンド(約126万円)にまで膨れ上がった。

一方で、イギリス企業は慢性的なエンジニア不足に直面している。「ひとつのプロダクトを開発するのに、今は10〜20年前と比べて、3〜4倍多くのエンジニアが必要になっている」(ダイソン氏)。そして多くの大学はこうしたニーズに対応するための、実践的な教育を提供できていないという。

この状況に業を煮やしたダイソン氏は2016年頃、大学・科学・研究・イノベーション担当大臣だったジョー・ジョンソン氏(ジョー氏の兄は、ブレグジット支持の急先鋒であり、前ロンドン市長ボリス・ジョンソン氏だ)に解決を打診。

それを機に、私企業であっても条件を満たせば大学を新設できる新法が制定され、「ダイソン インスティチュート オブ エンジニアリング アンド テクノロジー」はその法律のもとで第1号の大学として設立された。
ダイソンのこの取り組みは大きな反響を呼び、初年度から学生の応募が殺到した。2年目となる2018年には20倍以上の倍率の中から43名が合格した。中にはオックスフォード大学やケンブリッジ大学を蹴って入学した学生もいるという。

“「大学を作った当初、授業料が無料であることに学生たちは一番の魅力を感じるのだろうと考えていた。けれどもそれはまちがっていた。“リアルな学び”、プロダクト開発に活かせる学びがあるから、彼らはここを選んでいる」”(ダイソン氏)

■「ダイソンプレックス」に潜入
(中略)
学生が住むそうしたエリアから5分ほど離れたところには、4500人の社員が働くダイソンの開発拠点が見えてくる。

キャンパス内には、垂直離着陸ができる戦闘機「ハリアー」や、ダイソン氏本人が学生時代にアイデアを思いついたという、海陸両用トラック「シー・トラック」など、「今までの常識を覆す発明」の数々が置かれている。

学生たちはこのキャンパスで、さまざまな部署を4カ月ごとにローテーションし、ダイソンのエンジニアとしての実践経験を積む。3年目以降からは希望した部署の仕事に就くことも可能だ。

同時に大学での勉強も、3年目からはソフトウェアエンジニアリング、電気・電子工学、機械工学などの専攻を選ぶことができる。

■日本人学生受け入れたい
(中略)
“「ダイソンは、解決すべき課題が見つかるとその解決のために投資し、きちんとした道筋でアプローチしてきた。それが掃除機であれ、ドライヤーであれ、教育システムであれ、同じことだ」”(ウィルソン氏)

“「今は大学のために受け入れた海外留学生を(イギリス人学生と同じように)働かせることはできないが(国際化は)当然実現させたいと考えている。日本人学生の誘致?もちろん大歓迎だよ、日本人がここで働けるのだから、学べない理由はないよ!」”(ダイソン氏)

 

 

 

小川泰文