オランダで普及している「イエナプラン」教育から学ぶ

ドイツで生まれた「イエナプラン」と呼ばれる教育法。
自分で考え、共感力をもち、社会にはたらきかけ、協働できる市民を育てる教育という考え方で、先生の表現では「幸せな大人を育てる教育」を目指しているのだそうです。



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■ イエナプランの生い立ちと現状
イエナプランは、1924年、ドイツにあるイエナ大学の教育学者、ペーター・ペーターゼンが同大学の実験校で始めた教育モデルです。このイエナプランを積極的に取り入れ、発祥国のドイツを遥かに凌ぐ勢いで発展しているのがオランダです。オランダは憲法で教育の自由を保障しているため、他国の教育手法であっても自由に取り入れることができます。そうした背景もあり、1960年代に初めてイエナプラン校が設立されて以来、急速に普及してきました。現在オランダにある学校のうち10%がオルタナティブ教育を実施しており、そのうち約3割に該当する200校近く(オランダ全体の3%に相当)が、イエナプランを取り入れています。


■ イエナプラン教育の特徴
イエナプランは、自分の良さや弱みを知るだけでなく、他者の良さを認め、社会で協働して積極的に活動できる大人を育てるという狙いが非常に強くあります。ですから、生徒が障害を持つ持たないに関わらず、皆んなが同じ環境で協力しながら学びの生活を送ることを基本としています。 一口にイエナプランを採用していると言っても、学校ごとの裁量権が多いオランダでは、各校でさまざまな工夫をしていたり、また通常校でもイエナプランの考え方を一部取り入れているところもあったりと、どの学校にもそれぞれ個性が見られます。


■ 映像での先生方のインタビューから、印象に残っている言葉の数々
<イエナプランで大切にしていること>
・イエナプランの教育の特徴:すべての学校は20の原則に則って運営をしている
リビングルームとしての教室で、異年齢(2−3学年)が根幹グループを作って 学ぶ(異学年が共に学ぶことで、同学年のみの過度の競争や優劣思考を防ぐ役割がある)。
インクルージョン教育 - 障害児も共に学ぶことで、障害が友情の壁となることを防いでいる。
・真正性(オーセンティシティ):できるだけ本物、実物から学ぶ。社会と接点 を持つ。先生は万能でないことを認め、子供と共に学ぶ姿勢をみせ、子供たちの学ぶ姿勢を育む。
・性別や才能、年齢、異文化に関わらず、子供たち一人一人の尊厳が認められ、サポートされる。
・対話、仕事、遊び、催しをリズミカルに織り交ぜる。教科ごとの時間割はない。
・子供たちのリズムに合わせる(必ず30分の朝ミーティングをやるわけではない)

<イエナプラン教育の本質とは>
・子供との関わり方。子供たちが自然の形で学ぶことを尊重する。
・人生を自律的に生きていけるように、楽しみを持つように、未来に楽観的に関わ れるように導く。
・大きな課題を解決できる人材に。
・幸福な大人を育てるための教育。
子供たちに将来への希望を与え続ける。幸福な人の方が、いろんなことを知っていることより大切。


<イエナプラン教育が目指す人間像>
・私は誰で、何が得意で、何が苦手か。どこに行こうとしているのか。人間として好奇心を持てる人が理想。
・幸福であり、自分の人生をコントロールできることも大切。自分にふさわしい道を歩める。その一方、他者との協働に積極的に参加できることが大切。
・幸福で能動的な市民。デモクラシーを大切にする人を育てることも大切。
・自分の考えを提示し、自分自身とコンタクトを取り続ける人間。
・全人格的に育っていることが大切。
・世界の市民。
・イニシアチブを取ることを学ぶ。率先して何かをする。発表し、責任を持つことも学ぶ。事実を復唱することより大切。第二次世界大戦がいつ起きたことではなく、本質を問う力を養う。
・人と違うことを認め、自立して行動する。

<画一授業の問題点>
・子供たちには共通点があるように見えるが、かなり異なる。異なる学びのスタイルを持っている。テスト勉強を夜したい人と朝したい人。自分で勉強したい人、友達と復習したい人。静かじゃないとダメな人など、勉強のやり方ひとつでも違う。何もかも知っている教員なんていないのに、そういった教員に教えられるのが伝統的なやり方。こういうやり方はほとんどうまくいかない。
・学習が、子供一人で学ぶもの、仲間から学ぶものではないというのも古典的な授業の良くない部分。先生が考えてきたことを聴くやり方は、生徒が怠ける。
・画一一斉授業では子供は怠けてしまう。できることできないことの差は広がるだけ。手を挙げるスタイルもいけない。テストも良くないところを直してやろうということ。
・自分で計画し、創造し、アクションを起こすことが大切。

 

 

 

花田裕実