地域と一体となった全寮制学校の始動(広島叡智学園)

教育改革を進める広島県が、今年度から新たな学校を始動。場所は、高齢化の進む島に位置し、ここで全寮制の学校として運営していく。島民の地域の方と共に課題を追求するとともに、国際バカロレアにも認定され、地域と世界をつなぐ人材を育成していく。

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「広島 大崎上島」広報誌(リンク
叡智学園では、 「未来創造科」という課題解決型の学習プログラムが組まれています。未来創造科では、様々な課題に対して、議論やフィールドワークを重ね、地域の人たちと協働して解決策を導き、実際にプロジェクトとして実行する一連の過程を学びます。
将来、環境やエネルギー、貧困など、世の中が抱える様々な課題を、国籍や文化の違いを超えた仲間たちと解決していくための力をこの「未来創造科」で養っていきます。


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「広島叡智学園、成果と課題」(リンク
・ 広島県大崎上島町に全寮制の中高一貫校「県立広島叡智(えいち)学園」が開校して3カ月余りが過ぎた。1期生の中学1年生40人は授業や休日の活動を通して徐々に地元との関わりを深めており、高齢化が進む島の住民たちも喜んでいる。

6月下旬にあった初のオープンスクール。食堂棟での学校説明会で、来春の入学を希望する小学6年生と保護者の約50組を前に生徒代表10人が登壇した。日々の生活を紹介し「最初はホームシックになって泣いている子もいたけど、みんながいるから乗り越えることができた」などと語った。

同学園の特色の一つが英語教育。一般的な中学・高校の英語学習は6年間で約800時間だが、同学園は高校1年冬までの4年足らずで5千時間を確保する。加えて力を入れるのが、地域課題の解決策を考える独自科目の「未来創造科」だ。総合的な学習の時間を充てる。

1期生はまず、地元の同町大串地区のお年寄りたちに教わりながらのマップ作りからスタート。完成後は生徒自らが発案して校外での展示を決め、観光案内所などに持ち込んだ。

マップ作りに協力した住民たちは「高齢者ばかりの地域が一度に若返ったように思えた」と喜ぶ。同科目を担当する徳田敬教諭(33)は「今後は島内の農家などにお願いしてインターンシップをし、地域課題の発見や解決への取り組みを体験させたい」と話す。

現在は教員や寮生活をサポートする「ハウスマスター」たちが生徒の相談に乗っている。林史(ふみ)校長は「教員が親の役割も求められている。多くの人と触れ合う機会を増やすためにも今後、島親導入の準備に取りかかりたい」と話す。

未来創造科に協力し、生徒とたびたび交流する大串地区の農業大成淳二さん(78)は「皆元気そうでほっとしているが、いざというときに心から頼る先があるような仕組みは用意してあげてほしい」と気遣う。

 

 

 

萩元宏樹