現役教師が報告、教育現場は道徳の教科化をどう受け止めているか

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道徳の教科化で学校現場はどう変わるか

道徳の教科化について。

道徳が特別の教科になってから、現場の反応は様々である。

色々なことが変わったが、現場レベルでの具体的で実務的な変化は

1. 教科書の導入
2. 評価の導入

の2点である。

これはそのまま、次の利点を生み出す。
1. 使用教材の明確化(何をやろうか迷わずに済む)
2. 確実な実施(やるかやらないか迷わずに済む)

「利点」と書いたが、これは命令を出す側の利点である。要は、規則を守らない人が多いので、規制を強めた訳である。つまり、まともにやっていた人間にとってはデメリットにもなり得る。

そのままひっくり返すと、次のようにもなる。
1. 自作教材の使用の困難
2. 評価を意識した業務の増加

まあ、大変だが、致し方ないことである。現場から「負担増」の反感の声も聞こえるが、今まで業務上の義務にもかかわらず実施をきちんとしていなかったことへの「ツケ」ともいえる。「自分はきちんとやっていたのに」と言っても、これも責任逃れである。それを知っていながら、見て見ぬふりをして放置していた我々すべての現場教員の責任である。

しかしながら、心を育てることを強制しているという矛盾である。それをやりたくないから、やっていなかった人も多い訳である。

心を育てるのは、難しい。というより、教えるものではなく、育つものである。本来、自分自身にしかできないことである。

ここについて、今最も注目されている麹町中学校の工藤勇一校長も「行動が大事」と様々な著書の中で述べている。「心の教育」を叫んで心を教育しようとしているから、行動できない。大切なのは、心よりも、行動である。心ではなく、行動を変える。これだけが教えられることである。

授業の中で「掃除が大切だ」「思いやりが大切だ」と美しい言葉を並べ立てて、発言を活発にするが、全く行動しない子ども。特に何も言わないけれど、掃除を黙々とやり、ちょっとした思いやりのある行動ができる子ども。どちらが本当に「道徳的」かは、明白である。

個人的には、以前紹介した「モラルライセンシング」と関係あるのではないかと思っている。

 

 

直永亮明