オンライン授業によって、学校史上初めて、必要か否かの判断がつきつけられる

大学教員は、自身の講義の中身を「シラバス」として公開しているが、当然ながら、それは、いかにも文句のつけようのないものになっている。
 
 実際の内容や進め方については、各教員に完全に任されており、実際の中身は、講義を受ける学生以外は知る余地がないというのが、これまで。

 それに対して、オンライン授業は、学生だけが見ているとは限らない。保護者や兄弟、はたまた友達、あるいは、学生がオンライン授業を録画して、ネット上にアップする事も想定される。つまり、オンライン授業は、その全てが一般公開され、評価を受ける事になる。

 これによって、講義の質があがるという期待がある一方、学生相手に「だまし」のような事をやってきた教員や大学は、一掃される事になるだろう。

 そして、これは、大学だけに限らず、小学校、中学校、高校、全ての「学び」に対する圧力となる。

リンクより引用します。

※※※以下、引用※※※

オンライン授業で大学が変わる 同志社大学名誉教授・三木光範

新型コロナウイルスの感染は収束に向かっている。しかし、大学の授業は「3密」を避けることができないため、春学期の授業をすべてオンラインで行うことを決めている大学も多い。

(中略)

 大学の授業の内容や進め方は各教員に完全に任されている。科目名は決まっているが、どんな教科書を使うか、どんな方法で授業するかは自由である。授業の内容を概略的に示したシラバス(授業計画)はホームページで公開されているため、不適切な内容を書く教員はいないが、受講してみないと内容が分からない授業も多い。

 大学の授業は他の教員や保護者に見せることはない。このため、各教員が何をどのように教えているのかは学生に聞かないと分からない。教室に入ってくるなり黒板の左上から右下まで、延々と難解な数式を書き続け、学生はひたすらそれをノートに書き写す授業、教科書を棒読みする授業、自分の過去の自慢話ばかりという授業もあるそうだ。

 ≪授業の質が問われるとき≫

 こうした授業を続けてきた教員にとっては、オンライン授業でそれが録画されることで、授業の質が明らかになる。録画された授業を他の教員や学費を負担している親が見る可能性があるなら周到な準備が必要となる。

 このため、オンライン授業は、いままで授業の質が不明だったのが可視化されるという革命的なことが起きる。これはオンライン授業の最大の利点である。オンライン授業によって“大学の講義はどうあるべきか”に対する教員の答えが公開される。

 講義の動画やスライドなどは公開情報ではないが、親や友人が見ることができ、さらに授業の一部を学生がネットに上げて批評することができるからだ。こうしてオンライン授業は講義の質を高める作用を持つ。

 一方、ポストコロナの大学の授業ではオンライン授業が進むだろう。なぜなら、非同時刻型のオンライン授業では、講義動画や音声付きスライドを1回作っておけば、翌年度もそれを使うことができる。

 このため、それを予習として学生に視聴することを宿題とすれば、対面授業は質疑応答やディスカッションの時間などに使える。これはアクティブ・ラーニングにも繋(つな)がり、教育効果が高くなる。

 ≪新たな教育へのチャンス≫

 非同時刻型のオンライン授業の最大の長所は各学生が自由な時間に、何度でも繰り返し視聴できることだ。疑問があれば授業を中断し、即座にネット検索で深く知ることができる。すなわち、自分の理解の速度で授業を進めることができる。

 一方、同時刻方式のオンライン授業でも自分のPC内に録画ができるので、あとで見直すことができる。私は最近初めて知ったのだがWindows10では画面の録画機能が標準で備わっている。

 これまで教員の速度で授業が進められてきた。しかし、オンライン授業は自分の理解の速度に合わせてさらに深く学習できる。また、病気などで授業を欠席すると、翌週の授業の理解が難しくなるが、オンライン授業ではこれらの欠点も解消する。教員も学会出張などで講義を休講にすることがなくなる。

 これらのメリットは大学教育に革命的なパラダイムシフトをもたらす可能性があると思う。現在のこの苦しいプロセスを新たな教育の始まりとして捉え、秋学期や来年度の授業に活用できるかどうかが大きな分かれ目になる。大学当局もこれを学生と教員の質の向上に資する機会と捉え、積極的な支援を行うチャンスである。大学も教員も学生もポストコロナで大きな格差がつく可能性は大きい。(みき みつのり)

※※※引用、以上※※※

 

野崎章